Excelファイルを開いたときに、「読み取り専用になっていて編集できない」「保護されていて書き込みができない」「パスワードがわからない」など、思うように操作できなくて困ったことはありませんか?
とくに仕事で急いで作業したいときに限って、ファイルがロックされていて手が止まってしまう…という経験をした方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Excelファイルが編集できないときの原因と対処法について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
また、「パスワードを忘れてしまったときはどうすればいいのか?」という疑問についても、安全な対応方法を紹介します。
「無理に解除してトラブルにならないか心配…」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
ファイルがロックされて編集できないときの原因と対処法
Excelファイルを開こうとしたときに、「読み取り専用で開かれてしまった」「編集ができない」「保護されていると表示された」などのトラブルが発生することがあります。
このようなとき、まずは原因を特定することが大切です。ここでは主な原因とそれぞれの対処法を紹介します。
誰かが開いていて「読み取り専用」になっている場合
共有フォルダやクラウド上のExcelファイルは、誰かが先に開いていると、自動的に読み取り専用モードになります。編集しようとしても保存できず、別名で保存するしかなくなるため注意が必要です。
対処法:
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開いている相手に声をかけて、閉じてもらう/編集を終えてもらう。
※誰が開いているかわかるように、エクセルユーザーごとに名前を設定しておくことをお勧めします。 -
「通知」ボタンをクリックして、相手が閉じたら知らせてもらう。
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どうしても急ぎの場合は、一時的に**「別名で保存」して作業し、後で統合**します。
※名前を付けて保存をします。ファイル名に”一時ファイル”など一時的に作成したファイルとわかるようにするなど、元のファイルと混同しないようにする工夫が必要です。
読み取り専用設定については以下の記事でも解説しています。
→エクセルが読み取り専用になってしまう原因と対処法まとめ|編集できない時はココをチェック!
自分しか使っていないのにロックされている場合
「自分しか開いていないのに“ロックされている”と感じたことはありませんか?
実は、Excelが異常終了したあと、次に開いたときに“回復ファイル”として自動的に復元されることがあります。
その場合、元のファイルは読み取り専用になることがあり、一時ファイル(~$で始まるファイル)が残っている可能性も考えられます。」
↓一時ファイルの例です。保管場所は以下の2通りあります。
- 元ファイルと同じフォルダ
- ユーザーデータの所定の場所に保管
保管場所の確認については後ほど解説します。
一時ファイルが表示されない場合
◯ 一時ファイルの場所と注意点:
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元ファイルと同じフォルダに表示されるのが基本ですが、
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Windowsの設定で「隠しファイル」が非表示になっている
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Excelの保存先がOneDriveや一時フォルダ(AppDataなど)になっている
などの理由で見えない場合もあります。
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一時ファイルがあるかを確認するには:
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エクスプローラー上部の「表示」→「表示」→「隠しファイル」にチェックを入れる
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OneDriveフォルダやローカルの
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles
も確認対象
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保存先を確認するには[ファイル]→「オプション」→「保存」メニューを確認します。

よくある原因:
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前回Excelが正常に終了しなかった
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自分のPCがフリーズ・強制終了した
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マクロ実行中にファイルがロック状態になった
対処法:
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ファイルと同じ場所にある「~$ファイル名.xlsx」という一時ファイルを削除する
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一度PCを再起動してみる
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元のファイルをコピーして新規保存し直す
ファイルが保護されていて編集できない場合
Excelには「シート保護」「ブック保護」などの機能があり、意図的に編集や構造変更ができないように設定されていることがあります。
見分け方と解除方法:
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メニューの「校閲」タブに「シート保護の解除」「ブック保護の解除」が表示されていれば、保護がかかっている状態です。
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パスワードが設定されていない場合は、クリックするだけで解除できます。
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パスワードが必要な場合は、次章で詳しく対応方法を解説します。
パスワードを忘れたときの対応と注意点
Excelではシートやブック全体にパスワードを設定して、編集や表示を制限することができます。
しかし、パスワードを忘れてしまった場合、「もう二度と解除できないのでは…?」と不安になりますよね。
この章では、パスワードを忘れてしまった場合の正規の対応方法と、注意しておきたいポイントについて解説します。
パスワードを解除する正攻法とは?
Excelのパスワードは、セキュリティの観点からMicrosoftでも復元できない設計になっています。
そのため、パスワードを解除するには、ファイルを作成・保護した本人に確認することが基本です。
できること:
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作成者や管理者に連絡して、パスワードを教えてもらう/保護を解除してもらう
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他のバージョンのファイル(保護前のバックアップなど)を探す
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複製ファイルがあれば、そちらを使うのも一つの手です
ロックの強制解除ー解除ツールや裏技に頼ってもいい?
「拡張子を変更してロックを解除する方法」や「解除ソフト」などがインターネットで紹介されていることがあります。
たしかに一部のパスワード(シート保護など)は特殊な操作で解除できる場合がありますが、業務上のファイルでこれを行うのは非常にリスクが高いです。
なぜ危険なのか?
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ファイルが壊れて元に戻らなくなるリスクがある
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会社の情報セキュリティ規定や法令違反に問われる可能性がある
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無断解除は「改ざん行為」とみなされることも
補足しておきたい注意点:
会社の業務ファイルでは絶対に避けるべき方法です。どうしてもという場合でも、管理者の許可とバックアップを取ったうえで慎重に対応してください。
再発防止のためにできること
パスワードを忘れてしまうのを防ぐには、記録と管理の工夫が大切です。
以下のような方法を実践しておくと、万が一のときに安心です。
再発防止のポイント:
- パスワードを記録しておく(他人に見られないように注意)
紙にメモする場合は机の引き出しなどに保管し、ファイルやクラウドに残す場合はアクセス権限に注意しましょう。 - ファイル名やプロパティに「保護中」などの情報を入れる
たとえば「請求書_保護中.xlsx」「〇〇テンプレート(解除予定:6月末)」のようにしておくと、自分や他の人が見てもわかりやすくなります。
また、Windowsではファイルを右クリック→「プロパティ」→「詳細」タブで、「コメント」欄などに補足情報を入力することもできます。↓ファイルのプロパティ画面の例です。
保護している旨はもちろん、ファイル管理者が誰なのかなどを記載しておくと問い合わせがしやすくなります。
- 定期的にパスワードを整理・見直す
いつ・誰が・なぜ保護したのかを思い出せなくならないように、ファイルのパスワードを定期的に確認し、不要な保護は解除しておきましょう。 - ヒントを目立たない形で残しておく
パスワードそのものを書かなくても、「ヒント:ペットの名前+誕生日の年」など、自分だけが思い出せるようなヒントを別シートや備考欄に書いておくと便利です。
※業務ファイルの場合は社内ルールに従って管理しましょう。
まとめ:Excelファイルのロックやパスワードトラブルは落ち着いて対処を
Excelファイルが読み取り専用になっていたり、編集できなかったりすると、つい焦ってしまいがちですが、原因によっては簡単に解決できることも多いです。
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他の人が開いているなら、連絡して閉じてもらう
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一時ファイルが残っている場合は、削除や再起動で解決
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シート保護は「校閲」タブから確認・解除できる場合も
また、パスワードを忘れてしまった場合は、正規の手順で作成者や管理者に確認することが大切です。
ネット上には裏技的な方法もありますが、業務データではリスクや規則違反になる可能性もあるため、安易な解除は避けましょう。
今後のトラブルを防ぐためにも、パスワードの管理方法を見直したり、ファイル運用ルールを整備することが、安心・安全なExcel活用への第一歩になります。