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Excelを使っていると、「あれ?勝手に保存されてる…?」と感じたことはありませんか?
Microsoft 365以降のExcelでは、**自動保存機能(AutoSave)**が標準でオンになっており、作業内容が自動的に上書き保存されるようになっています。
便利な一方で、共有ファイルなどを編集する際には注意が必要です。
たとえば、他の人のデータをうっかり上書きしてしまう、元に戻せないまま閉じてしまうなど、トラブルにつながることもあります。
この記事では、そんな自動保存機能を状況に応じてオフにする方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
また、誤って上書きしてしまった場合の回復方法や、安全に編集するためのコツも紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
Excelの自動保存とは?オフにした方がいいケースもある
自動保存と「オートリカバリ」の違い

Excelには似たような機能が2つあります。
1つは 「自動保存(AutoSave)」、もう1つは 「オートリカバリ(AutoRecover)」 です。
-
自動保存(AutoSave):
Microsoft 365 などで OneDrive や SharePoint に保存しているファイルを、数秒ごとに自動で上書き保存する機能です。
保存操作をしなくても変更がリアルタイムで反映されるため、作業中にExcelが落ちてもほぼ内容を失うことがありません。 -
オートリカバリ(AutoRecover):
こちらは従来からあるバックアップ機能で、一定間隔(初期設定では10分ごと)で一時ファイルを自動保存します。
「強制終了してしまった」「うっかり保存せずに閉じた」場合でも、次回起動時に復元ファイルとして開けるのが特徴です。
混同しやすいですが、
- 自動保存=常に上書きされる
- オートリカバリ=緊急時の復元用
という違いを覚えておきましょう。
自動保存をオフにした方がいい場面
自動保存はとても便利ですが、すべての場面で有効とは限りません。
特に以下のようなケースでは、あえてオフにするほうが安全です。
-
共有ファイルを個人的に確認・試したいとき
共有フォルダのファイルを開いたまま試しに並べ替えや削除をすると、そのまま全員のファイルが更新されてしまいます。
「確認しただけ」のつもりが、元データを壊してしまうことも。 -
テンプレートをもとに別データを作りたいとき
元のテンプレートを開いて入力してしまうと、次回使うときに初期状態に戻せなくなることがあります。 -
一時的な編集や検証をしたいとき
関数や書式を試すときなど、「元に戻す」ことを前提にしている作業では、自動保存は向きません。
こうしたケースでは、あらかじめ自動保存をオフにしてから作業するか、「名前を付けて保存」で別ファイルにして編集するのが安全です。
自動保存をオフにするとどうなる?
自動保存をオフにすると、次のような動作になります。
-
Excelがリアルタイムで保存しなくなるため、変更を反映するには手動で「上書き保存」する必要があります。
-
「保存しないで閉じる」と、変更内容はすべて破棄されます。
-
「オートリカバリ」は引き続き有効なので、異常終了した場合は復元可能です。
つまり、「保存するかどうかを自分でコントロールできる」状態になります。
誤上書きのリスクは減りますが、手動保存を忘れるとデータを失う可能性もあるため注意しましょう。
ポイントまとめ
-
自動保存はMicrosoft 365特有の機能で、常に上書きされる
-
オートリカバリはバックアップ用で別物
-
共有ファイルやテンプレートを扱う場合はオフ推奨
-
手動保存を忘れずに行うことが大切
Excelで自動保存をオフにする設定手順と上書き対策
自動保存スイッチでオフにする方法(Microsoft 365)
Microsoft 365やOffice 2021以降のExcelでは、画面左上のトグルスイッチで自動保存を簡単にオン/オフできます。
手順:
-
Excelウィンドウの左上を確認します。
タイトルバーに「自動保存」というスイッチが表示されています。

-
スイッチが「オン」になっている場合、クリックして「オフ」にします。

-
一部の環境では、「このファイルを自動的に保存しなくなります」と表示されることがあります。
その場合は「OK」をクリックすると、自動保存がオフになります。
保存場所やExcelのバージョンによっては、このメッセージが表示されずに自動保存がオフになる場合もあります。
また、ローカル(パソコン内)に保存しているファイルでは、自動保存スイッチ自体が表示されないこともあります。
参考:
自動保存スイッチが表示されない場合は、そのファイルがOneDriveやSharePointに保存されていない可能性があります。
自動保存はクラウド保存が前提の機能のため、ローカル保存時には常に手動での保存操作が必要です。
常に自動保存をオフにする設定(Office全般)
毎回スイッチを切り替えるのが面倒な場合は、既定の設定で自動保存をオフにしておくと便利です。
手順:
-
[ファイル]タブ → [オプション]を開く

-
左側メニューから[保存]を選択
-
「Excelの既定でクラウドに保存されている自動保存ファイル」のチェックを外します。
ポイント:「クラウド保存を使わない場合」はこのチェックを外しておくと安心です。 -
「OK」で閉じる
これで、次回以降に新しく開いたファイルでは、自動保存が最初からオフになります。
個人利用や、ローカルで作業する方には特におすすめの設定です。
読み取り専用で開いて上書きを防ぐ
誤って他人のファイルを上書きしないようにするには、**「読み取り専用で開く」**のも有効です。
一時的に読み取り専用で開く方法
-
Excelを起動し、[開く]→[参照]をクリック
![[ファイル]タブ[参照]メニューを選択](data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAASwAAAEsAQAAAABRBrPYAAAAAnRSTlMAAHaTzTgAAAAiSURBVGje7cExAQAAAMKg9U9tCj+gAAAAAAAAAAAAAAB4GS20AAH/6QlrAAAAAElFTkSuQmCC)
-
対象のファイルを選択
-
右下の「開く▼」をクリック → 「読み取り専用で開く」を選択

これで、ファイルを開いても編集内容が上書きされることはありません。
編集したい場合は、「名前を付けて保存」で別名を付けて保存しましょう。
ファイルを常に読み取り専用に設定する方法
-
Excelでファイルを開く
-
[ファイル]→[情報]→[ブックの保護]をクリック
-
「常に読み取り専用で開く(読み取り専用を推奨)」にチェックを入れて保存

次回以降、このファイルを開くときに
「このブックを読み取り専用で開きますか?」
→「はい」を選ぶと、編集が無効化された状態で開きます。

表示される文言はExcelのバージョンやOSによって少し異なる場合があります。
たとえば「読み取り専用として開きますか?」や「このファイルは読み取り専用です」と表示されることもありますが、いずれも同じ動作です。
この設定を行うことで、うっかり上書きしてしまうリスクを減らせます。
特に閲覧用のファイルやテンプレートに設定しておくと安心です。
読み取り専用は上書きを防ぐための注意喚起機能であり、完全な編集制限ではありません。
別名保存すれば変更は可能なため、厳重に保護したい場合はパスワード設定との併用をおすすめします。
「名前を付けて保存」で別ファイルとして編集
共有ファイルやテンプレートを編集する際は、必ずコピーを作って作業するのが安全です。
手順:
-
[ファイル]→[名前を付けて保存]を選択
-
保存先を指定し、ファイル名の末尾に「_作業用」「_コピー」などを付ける
-
編集はこのコピー版で行う
この方法なら、元データを壊すリスクを完全に回避できます。
特に、他のメンバーと共有しているフォルダでは「別名保存」が最も確実です。
うっかり上書きしてしまったときの復元方法
もし誤って上書きしてしまっても、Excelには復元機能があります。
OneDrive・SharePointに保存している場合
-
ブラウザでOneDriveを開く(Microsoftアカウントでログイン)
- 画面左の 「マイファイル」 をクリック
-
対象のファイルを右クリック → 「バージョン履歴」 を選択
![マイページを選択し、対象のファイルを右クリック→[バージョン履歴]を選択](data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAASwAAAEsAQAAAABRBrPYAAAAAnRSTlMAAHaTzTgAAAAiSURBVGje7cExAQAAAMKg9U9tCj+gAAAAAAAAAAAAAAB4GS20AAH/6QlrAAAAAElFTkSuQmCC)
-
復元したい日時のファイルを選んで右クリックし「復元」を選択

クラウド上では自動的に履歴が保存されているため、誤って上書きした場合でも以前の状態に戻すことができます。
その場合は「マイファイル」から対象フォルダを開いて操作してください。
ローカル(パソコン内)保存の場合
-
[ファイル]→[情報] を開きます。
-
右側のメニューから 「バージョン履歴」 をクリックします。
(または[管理ブック]→[保存されていないブックの回復]でも開けます)

-
画面右側に「バージョン履歴」パネルが表示されるので、復元したい日時を選んで開きます。
-
内容を確認して問題なければ「名前を付けて保存」します。

バージョン履歴は、上書き保存した直後やExcelが異常終了した後などに自動で作成されます。
ただし、一定時間が経過した場合や手動で上書きした場合は、履歴が残らないこともあります。
完全に上書きしてから長時間経過した場合は、リカバリ機能でも復元が難しくなります。
大事なファイルは定期的にバックアップや別名保存を行うと安心です。
自動保存をオフにできない場合の確認ポイント
-
OneDriveやSharePoint上のファイルでは、組織ポリシーによって自動保存が強制ONになっている場合があります。
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その場合は、ファイルをローカル(パソコン内)にダウンロードして開くと、手動保存に切り替えられます。
-
また、職場の設定でスイッチ自体が非表示になっているケースもあるため、システム管理者に確認するのが確実です。
ポイントまとめ
-
「自動保存スイッチ」や「設定画面」でオフにできる
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「読み取り専用」や「別名保存」で誤上書きを防げる
-
万一上書きしても、「バージョン履歴」や「回復機能」で復元可能
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組織設定で制限されている場合はローカル保存を活用
まとめ
Excelの自動保存は便利な機能ですが、共有環境では思わぬトラブルの原因になることもあります。
状況に応じて「自動保存をオフ」「読み取り専用で開く」「別名保存で作業」などを使い分けることで、安全に作業を進められます。
特に重要なファイルほど、保存方法を意識して扱うことがトラブル防止の第一歩です。
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※外部リンク※
- 自動保存とは |Microsoft サポート
- 自動保存をオフにした場合は、どうなるでしょうか。 |Microsoft サポート
- Microsoft Office でファイルを保存、バックアップ、回復する |Microsoft サポート
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