作業中にExcelが突然フリーズしたり、いきなり終了してしまったことはありませんか?
特に「挿入」タブをクリックしたタイミングで落ちてしまう、という不具合がExcel 2016など一部のバージョンで報告されています。
一時間かけて作った資料が保存前に消えてしまう…なんてことがあると、本当にショックですよね。
このようなトラブルの原因としては、「アドインとの相性」や「更新プログラムの不具合」などが挙げられます。
また、強制終了に備えておけば、いざという時の復旧もスムーズになります。
この記事では、Excelの「挿入タブ」で強制終了してしまう原因とその対処法、さらにフリーズ・クラッシュへの備え方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
- 1 挿入タブでExcelが強制終了・落ちる原因と対処法
- 2 フリーズや強制終了に備える!事前の対策と復旧方法
- 3 まとめ|突然の強制終了に備えて、安心してExcel作業を進めよう
挿入タブでExcelが強制終了・落ちる原因と対処法
よくある症状と対象バージョン(Excel 2016など)
「挿入」タブをクリックした瞬間にExcelがフリーズしたり、突然終了してしまう――そんな症状が報告されています。
特にExcel 2016の一部環境で多く見られる不具合ですが、環境やアドインの組み合わせによっては他のバージョンでも起こる可能性があります。
この問題は、特定の操作が原因で発生する一時的なバグではなく、特定の設定や環境要因が重なることで再現性のある不具合です。
そのため、放置すると繰り返し発生してしまうリスクもあります。
原因① 相性の悪いアドインが影響している
Excelでは、機能を拡張する「アドイン」と呼ばれる追加機能を利用できますが、その中にはMicrosoft純正ではないものも多く存在します。
こうしたサードパーティ製アドインが、Excelの機能と競合することで、特定のタブ(特に「挿入」タブ)でエラーを引き起こすケースがあります。
特に以下のようなアドインは注意が必要です:
-
グラフや図形に関する機能を拡張するアドイン
-
古いバージョンのまま使用されているアドイン
-
インストール後に更新されていないツール類
原因② OfficeやWindowsの更新不備
Excel本体やWindowsが最新の状態でない場合、すでに修正済みの不具合が残ったままになっていることがあります。
たとえば、古いバージョンのOfficeでは「挿入」タブに関連する不具合が修正前のままで、強制終了してしまう可能性があります。
対策として、以下の更新を確認・適用しておきましょう:
-
【Windows Update】:スタートメニュー → 設定 → Windows Update
-
【Office更新】:Excelの「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」
対処法① アドインを無効にする
アドインが原因かどうかを確認するためには、Excelの設定画面からアドインを一時的に無効にしてみましょう。
-
Excelを開き、「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を選択
-
下部の「管理」から「COM アドイン」を選び、「設定」をクリック
-
一覧からアドインのチェックを外し、「OK」で保存
-
Excelを再起動して「挿入」タブをクリックし、落ちるか確認
アドインは一つずつ無効化→再起動で検証すると、どれが原因かを特定しやすくなります。
対処法② セーフモードで起動して動作確認
Excelを「セーフモード」で起動することで、アドインやカスタマイズ設定を無効化した状態で動作確認ができます。
【起動方法】
-
キーボードの
Ctrl
キーを押しながら Excel を起動 -
または、「Windowsキー + R」で「ファイル名を指定して実行」→
excel /safe
と入力
セーフモードで「挿入」タブを開いても強制終了しない場合、アドインや設定が原因と判断できます。
対処法③ Officeの修復機能を利用する
ソフトウェア自体のファイルが壊れている場合、Excelの修復機能を使うことで改善することがあります。
【修復手順】
-
Excel本体に問題がある場合は、「Officeの修復」機能を使うことで改善できることがあります。
以下のいずれかの方法で修復を試してみましょう。<Windows 10の場合>
-
コントロールパネル → 「プログラムのアンインストール」へ
-
一覧から Microsoft Office を右クリック →「変更」
-
「クイック修復」または「オンライン修復」を選択して実行
<Windows 11の場合>
-
スタートメニュー →「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
-
Microsoft Office を選択 →「︙(三点)」→「変更」
-
「クイック修復」または「オンライン修復」を実行
※ クイック修復は数分で完了しますが、問題が解消しない場合はオンライン修復を試してください。 -
対処法④ ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする
(※一部環境のみ)
グラフや図形を挿入する際にExcelがフリーズ・終了してしまう場合、グラフィック描画に関連する機能が原因のことがあります。
このような場合は、Excelの「詳細設定」でハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にすると改善することがあります。
【設定方法】
-
Excelを開き、「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
-
「表示」セクションを探し、「ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」にチェック
-
「OK」で保存し、Excelを再起動
その場合は、Windowsのグラフィック設定やドライバ構成が影響している可能性があります。
対処法⑤ Microsoft公式ヘルプで既知バグを確認する
Microsoftのサポートページでは、各バージョンで発生している既知の問題とその修正状況が案内されています。
【確認例】
-
Microsoft公式:Excelの問題に関するサポートページ
↓Microsoft公式の「Excel ヘルプとラーニング」で、キーワード「挿入タブ 強制終了する」で検索してみた例。
タイムリーな不具合情報を探したいときに役立ちます。
このようにMicrosoft公式のヘルプページでは、実際にトラブルの検索が可能です。
不具合が再現性のあるものであれば、公式で修正プログラムや回避策が提供されている可能性もあります。
また、MicrosoftではExcelの不具合や修正プログラムに関する最新情報をまとめた公式ページを公開しています。
最近の Excel for Windows の問題に関する修正プログラムと解決策(Microsoft公式)
このページでは、最新版の不具合・更新状況・回避策が確認できますので、解決策が見つからない場合の最終手段としてブックマークしておくと安心です。
ログファイルからエラー状況を確認する方法(上級者向け)
Excelが強制終了した際、エラー内容は「イベントビューアー」に記録されています。
【確認方法】
-
Windowsのスタートメニューで「イベントビューアー」と検索して開く
-
「Windowsログ」→「アプリケーション」を選択
-
Excelのエラーを探し、詳細を確認
エラーコードやモジュール名が表示されるため、詳しく原因を調べたい場合や、サポートに問い合わせる際に役立ちます。
フリーズや強制終了に備える!事前の対策と復旧方法
自動保存(自動回復)を有効にする
作業中のデータをできるだけ失わないようにするには、自動保存(自動回復)機能を有効にしておくことが基本です。
特にフリーズや強制終了が起こりやすい環境では、保存間隔を短く設定しておくと安心です。
【設定方法】
-
Excelの「ファイル」→「オプション」→「保存」を開く
-
「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェックを入れる
-
推奨設定:5分程度
-
「保存しないで終了する場合、最後に自動保存されたバージョンを保持する」にもチェック
自動保存されるファイルは、Excelを再起動したときに自動的に復元されるか、「最近使ったファイル」から復元できることもあります。
OneDriveなどクラウド保存を活用する
ExcelのファイルをOneDriveやGoogleドライブなどのクラウドに保存しておくと、強制終了やPCトラブル時にもデータの損失を最小限に抑えられます。
OneDriveであれば、ファイルごとの「バージョン履歴」から過去の状態に戻すことも可能です。
【活用ポイント】
-
Office 365を使っていればOneDriveに自動保存が可能
-
複数端末間での作業もスムーズ
-
オフライン作業でも一時保存され、復旧性が高い
こまめな手動保存+名前を付けたバックアップを習慣に
どれだけ自動保存を有効にしていても、「手動保存」の習慣は欠かせません。
特にマクロや複雑な処理を行う前は、必ず手動保存しておくことをおすすめします。
【習慣づけのコツ】
-
Ctrl + S
を定期的に押すクセをつける -
定期的に「名前を付けて保存」で別名バックアップを作成
-
日付入りファイル名(例:report_2025-07-07.xlsx)で管理すると便利
たとえば「見積書_2025-07-07.xlsx」のようにしておくと、あとからどのファイルが最新なのか一目でわかるので安心です。
「No.1」「No.2」のように番号だけにしてしまうと、更新日時がわかりづらくて迷ってしまうことがあります。
作業ファイルの軽量化で動作安定性を向上
ファイルが重くなると、Excelが不安定になりやすく、フリーズやクラッシュのリスクが高まります。
以下のような軽量化を意識すると、動作が安定します。
【軽量化の例】
-
不要なシートや画像、オブジェクトの削除
-
複雑すぎる数式の見直し(特に配列数式や間接参照)
-
ピボットテーブルの更新タイミングを「手動」に設定
-
参照先が消えたリンク(#REF!など)をクリアに
信頼済みのフォルダに保存して誤動作を防ぐ
Excelファイルが「信頼されていない場所」にあると、マクロやリンクの一部機能が制限されたり、セキュリティ警告が表示されることがあります。
このような誤動作を防ぐために、よく使う保存先フォルダを「信頼できる場所」に登録しておくのがおすすめです。
【設定方法】
-
Excelの「ファイル」→「オプション」を開く
-
左側メニューから「トラストセンター(またはセキュリティセンター)」を選択
-
右側の「トラストセンターの設定」をクリック
-
「信頼できる場所」→「新しい場所の追加」から使用中のフォルダを登録
↓信頼できる場所を指定します。参照ボタンを押して選択することも可能です。 -
「OK」で保存
保存されなかったファイルを復元する方法
突然のクラッシュでファイルを保存しないまま閉じてしまった場合でも、Excelには「自動回復ファイル」が残っていることがあります。
【復元方法】
-
Excelを再起動すると、自動回復ウィンドウに表示される場合があります
-
表示されない場合は、以下のパスを直接開いて確認:
このフォルダ内にある .asd
や .wbk
ファイルが一時保存された内容です。見つけたらすぐ保存し直しましょう。
上記の場所にファイルがない場合は、「ファイル」→「オプション」→「保存」を選択し、自動回復用ファイルの場所を確認しましょう。

マクロ実行前は必ず保存するクセをつける
マクロ(VBA)を使っている方は、実行前に保存しておくことが必須です。
マクロには「処理途中でExcelが固まる」「意図しないセルを消す」といったリスクがあり、保存していなければやり直しがききません。
【安全な運用のために】
-
マクロを実行する直前に保存(
Ctrl + S
) -
「バックアップを取ってから実行」が理想的
-
よく使う処理はテンプレートファイルにしておくと安心
まとめ|突然の強制終了に備えて、安心してExcel作業を進めよう
Excelの「挿入」タブをクリックしたときに強制終了してしまう不具合は、アドインや更新不備など環境による影響が大きいトラブルです。
一見原因がわかりづらく、繰り返し発生するため、業務に大きな支障が出てしまうこともあります。
本記事では、次の2つの観点から対策をご紹介しました:
-
問題の原因を突き止めて解消する方法(アドインの無効化・修復・アップデートなど)
-
万が一に備える事前対策と復旧手段(自動保存・クラウド・信頼フォルダなど)
特に初心者の方にとっては、「設定変更」や「セーフモード起動」といった操作にハードルを感じるかもしれません。
ですが、事前に対策をしておくことで、データを失うリスクを大幅に減らすことができます。
突然のクラッシュに振り回されないためにも、できることから少しずつ備えておきましょう。
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