VBA ユーザーフォームを常に表示する方法｜自動表示と最前面固定の基本と応用

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Excelのユーザーフォームを使って、入力補助やデータ確認をしている方も多いのではないでしょうか。
でも「毎回ボタンを押してフォームを開くのが面倒…」「他の作業をしているとフォームが後ろに隠れてしまう…」なんて思ったこと、ありませんか？

そんなときに便利なのが、ユーザーフォームを“常に表示”させる設定です。
ブックを開いた瞬間にフォームが自動で立ち上がったり、シート操作中でもフォームが前面に固定されたままになったりすると、作業がぐっと快適になります。

この記事では、

• ブックを開いたときに自動でユーザーフォームを表示する方法

• Excel操作中もフォームを常に最前面に表示しておく方法
  の2つを中心に、初心者でもすぐ試せるサンプルコード付きでわかりやすく紹介します。

「フォームをもっと便利に使いたい！」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ユーザーフォームを自動で表示する方法

Excelでは通常、ボタンをクリックしてユーザーフォームを開くことが多いですよね。
でも、毎回その操作を行うのは少し面倒です。
特に他の人にも使ってもらうブックでは、開いた瞬間にフォームが自動で表示される仕組みにしておくと、とても便利です。

ここでは、VBAの「Workbook_Open」イベントを使って、Excelブックを開いたときにフォームを自動で表示する方法を紹介します。

Workbook_Openイベントを使ってフォームを起動する

まずは基本の手順です。
Excelを開いたときに自動でフォームを立ち上げるには、以下のコードを「ThisWorkbook」モジュールに記述します。

Private Sub Workbook_Open()
    UserForm1.Show
End Sub

手順は次の通りです。

1. Alt + F11 キーでVBA画面（VBE）を開く

2. 左側の「ThisWorkbook」をダブルクリック

3. 上のコードを貼り付けて保存

4. Excelブックを一度閉じて、再度開いてみる

これで、ブックを開いた瞬間にユーザーフォームが自動で表示されます。
特別なボタンを押す必要がないので、社内共有用のブックなどにもおすすめです。

フォームを「モードレス」で表示して操作を続ける

上記の方法でフォームを表示すると、デフォルトでは“モーダル表示”になります。
つまり、フォームを閉じないとシートを操作できない状態です。

もし「フォームを出したまま、セルの操作もしたい」という場合は、モードレス表示を使いましょう。
コードの最後に「vbModeless」を追加するだけでOKです。

Private Sub Workbook_Open()
    UserForm1.Show vbModeless
End Sub

この設定にすると、フォームを表示したままでもシート上の操作が可能になります。
入力支援ツールや確認用パネルのように、横に出しっぱなしで使いたいフォームにぴったりです。

フォームを閉じたあと再表示させたい場合

もし誤ってフォームを閉じてしまったときに、再表示したい場合は簡単な再表示ボタンを用意しておくと安心です。

たとえば、以下のようなマクロを標準モジュールに用意しておくと便利です。

Sub フォーム再表示()
    UserForm1.Show vbModeless
End Sub

このマクロをボタンやショートカットに割り当てておけば、いつでもフォームを再表示できます。
また、Application.OnTimeを使って定期的にフォームをチェックし、閉じられていたら再表示する…といった応用も可能です。

マクロボタンについて詳しくは以下の記事をご参考ください。

• 初心者でも簡単！Excelマクロボタンの設定と実践的な活用法
• Excelマクロボタンが反応しない？原因と対処法まとめ

ブックを非表示にしてフォームだけ表示する（応用）

もし「ユーザーにExcelシートを直接触ってほしくない」「フォームからのみ入力してほしい」という場合は、
ブックを非表示にしてフォームだけ表示する方法もあります。

以下のコードを「ThisWorkbook」に記述します。

Private Sub Workbook_Open()
　　Application.Visible = False 'Excel本体を非表示にする
　　UserForm1.Show
End Sub

これで、Excelブックを開いた瞬間にフォームだけが表示された状態になります。
シートは見えないので、ユーザーはフォーム経由でのみ操作できます。

フォームを閉じた際にExcelを再表示するには、フォーム側に次のコードを追加します。

Private Sub UserForm_QueryClose(Cancel As Integer, CloseMode As Integer)
　　Application.Visible = True 'Excelを再表示
End Sub

これで、フォームを閉じると自動的にExcel画面が戻るようになります。
誤操作防止やレイアウト保護を目的とした社内ツールなどで重宝します。

ここまでで、「ブックを開いたときに自動でユーザーフォームを表示する」方法と、
さらに一歩進んだ「フォームのみ表示」までを学べました。
次の章では、フォームを常に最前面に固定して、他のウィンドウに隠れないようにする方法を紹介します。

フォームを常に最前面に表示する方法（応用）

ここまでで、Excelを開いたときにユーザーフォームを自動で表示する方法を紹介しました。
ただし、フォームを表示したまま別のウィンドウを操作していると、フォームが他の画面の裏に隠れてしまうことがあります。

そんなときに役立つのが、「フォームを常に最前面に固定する」設定です。
たとえば、作業手順や入力項目を確認しながら作業する場面でとても便利です。

Windows APIを使って最前面に固定する

Excel VBAだけでは「ウィンドウを最前面に固定する」機能は用意されていません。
そこで、Windowsの仕組みを利用してフォームを常に前面に表示させる方法を紹介します。

これを実現するのが、**Windows API（SetWindowPos関数）**です。

以下のコードを使うと、ユーザーフォームを他のウィンドウよりも常に最前面に固定できます。

標準モジュール（Module1）に記述

Option Explicit

#If VBA7 Then
　Public Declare PtrSafe Function SetWindowPos Lib "user32" ( _
　　ByVal hWnd As LongPtr, ByVal hWndInsertAfter As LongPtr, _
　　ByVal X As Long, ByVal Y As Long, ByVal cx As Long, _
　　ByVal cy As Long, ByVal uFlags As Long) As Long

Public Declare PtrSafe Function FindWindow Lib "user32" Alias "FindWindowA" ( _
　ByVal lpClassName As String, ByVal lpWindowName As String) As LongPtr
#Else
　Public Declare Function SetWindowPos Lib "user32" ( _
　　ByVal hWnd As Long, ByVal hWndInsertAfter As Long, _
　　ByVal X As Long, ByVal Y As Long, ByVal cx As Long, _
　　ByVal cy As Long, ByVal uFlags As Long) As Long

　Public Declare Function FindWindow Lib "user32" Alias "FindWindowA" ( _
　　ByVal lpClassName As String, ByVal lpWindowName As String) As Long
#End If

　Public Const HWND_TOPMOST As Long = -1
　Public Const SWP_NOSIZE As Long = &H1
　Public Const SWP_NOMOVE As Long = &H2
　Public Const SWP_SHOWWINDOW As Long = &H40

この宣言部は、**「標準モジュール（Module1）」**に記述します。
これで、他のフォームやモジュールからAPI関数を呼び出せるようになります。

ユーザーフォームのコードに記述

次に、常に表示させたいユーザーフォームに以下のコードを記述します。

Option Explicit

Private Sub UserForm_Activate()
　Dim h As LongPtr
　' 少し待機を入れて、他ウィンドウの前面化を防ぐ
　DoEvents
　Application.Wait (Now + TimeValue("0:00:01"))

　' UserForm のウィンドウハンドルを取得
　h = FindWindow("ThunderDFrame", Me.Caption)
　If h = 0 Then h = FindWindow("ThunderXFrame", Me.Caption)

　If h <> 0 Then
　　SetWindowPos h, HWND_TOPMOST, 0, 0, 0, 0, _
　　SWP_NOMOVE Or SWP_NOSIZE Or SWP_SHOWWINDOW
　End If
End Sub

これで、フォームが他のウィンドウの後ろに隠れることなく、
常に最前面に表示されるようになります。

Excel上での操作中や他のアプリを開いたときも、フォームを見失うことがありません。

' 少し待機を入れて、他ウィンドウの前面化を防ぐ
DoEvents
Application.Wait (Now + TimeValue("0:00:01"))

実行結果と使い方のコツ

この設定を行うと、たとえば以下のような使い方ができます。

• 入力補助フォームを常に画面右側に表示しながら作業

• 作業指示やチェックリストを常に見える位置に固定

• 作業マニュアル風にメッセージを出しておく

見た目の印象としては、「Excelの上に小さな常駐ウィンドウが浮いているような状態」になります。
フォームの位置やサイズを整えると、作業画面を邪魔せず使いやすくできます。

最前面固定の注意点

便利な機能ですが、使い方には少し注意が必要です。

• 他のアプリ操作時にも前面に残るため、人によっては作業の邪魔になることがあります。

• WindowsのバージョンやExcelの32bit／64bit環境によっては、動作に差が出ることもあります。

• チーム共有のブックでは、環境の違いによるトラブルを避けるために、最前面固定を使わずvbModelessで十分な場合もあります。

そのため、実際に利用する環境で動作確認を行い、必要に応じて調整するようにしましょう。

まとめ：用途に応じて使い分けよう

ユーザーフォームを常に表示させたい場合、目的に合わせて次のように使い分けるのがおすすめです。

まずは「自動表示＋モードレス」で試してみて、
必要に応じて「最前面固定（API）」を追加する流れがおすすめです。

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• Excelマクロボタンが反応しない？原因と対処法まとめ
• 【Excel VBA】イベントでエラーが出るときの原因と対処法まとめ｜SelectionChangeとChangeの違いも解説

※外部リンク※

• ユーザー フォームを作成する |Microsoft Learn
• Show メソッド |Microsoft Learn
• Workbook.Open イベント (Excel) |Microsoft Learn

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