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見積書や請求書を作成していると、「100円未満を切り捨てたい」「1000円未満をまとめて処理したい」といった場面がよくありますよね。
たとえば合計金額が 12,345円 の場合、端数を処理して 12,300円 にしたい――そんなときに役立つのが 「切り捨て」関数 です。
エクセルでは、関数を使う方法のほかに「書式設定」や「VBAによる自動化」など、複数の方法で端数を処理できます。
ただし、どのタイミングで切り捨てるかによって計算結果が微妙に変わるため、社内ルールや取引先の指定を確認しておくことも大切です。
この記事では、初心者の方でもすぐ使えるように、
100円未満を切り捨てる方法を3つの手順でわかりやすく解説 します。
「1000円未満を切り捨てたい」といった応用方法も紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
エクセルで100円未満を切り捨てたいときの基本知識
100円未満を切り捨てるシーンとは？
金額の端数処理は、見積書や請求書を作成する際によく登場する作業です。
たとえば合計金額が 12,345円 の場合、「100円未満を切り捨てて12,300円にする」といった処理を行うことで、端数のないスッキリした金額に整えられます。
特に次のような場面で使われることが多いです：
-
社内の請求書・納品書で「100円未満切り捨て」ルールがある
-
端数を出さないように合計金額を調整したい
-
消費税計算後に微妙な差額を処理したい
一方で、「切り上げ」や「四捨五入」を求められるケースもあります。
会社や取引先ごとにルールが異なるため、どのタイミングで切り捨てを行うか を確認してから関数を使うようにしましょう。
切り捨て・切り上げ・四捨五入の違いを整理
エクセルには、端数処理に使える便利な関数がいくつかあります。
それぞれの動きを簡単にまとめると、次のようになります。
| 関数 | 動作 | 例：1234円 → 結果（100円単位） |
|---|---|---|
ROUNDDOWN |
切り捨て | 1200円 |
ROUNDUP |
切り上げ | 1300円 |
ROUND |
四捨五入 | 1200円 |
特に「100円未満を切り捨てたい」場合には、ROUNDDOWN関数 を使うのが定番です。
後ほど詳しく説明しますが、指定桁を「-2」にすれば100円単位、「-3」にすれば1000円単位で処理できます。
100円単位で切り捨てる計算の考え方
「100円未満を切り捨てる」というのは、100円単位で丸める という意味です。
具体的には、次のような考え方で処理されます。
-
金額を100で割る（例：1234 ÷ 100 = 12.34）
-
小数点以下を切り捨てる（12）
-
再び100を掛ける（12 × 100 = 1200）
つまり、「100で割ってから整数にして100を掛ける」ことで、
100円単位で丸める計算ができるわけです。
ROUNDDOWN関数を使うと、この流れを1つの式で簡単に実現できます。
次の章では、実際の関数例を使いながら具体的な手順を紹介します。
実際に100円未満を切り捨てる3つの方法
エクセルで金額の端数を処理する方法はいくつかあります。
ここでは、初心者でもすぐに使える3つの切り捨て方法 を順番に紹介していきます。
最初に結論をお伝えすると、実務では ROUNDDOWN関数が一番シンプルでおすすめ です。
そのうえで、仕組みを理解しやすい「INT関数」や、大量データに便利な「VBA」も順番に見ていきましょう。
①ROUNDDOWN関数で切り捨てる（最も簡単で実務向け）
まず一番使われるのが ROUNDDOWN関数 です。
請求書・見積書・売上管理など、実務ではこの方法が最も一般的です。
■ ROUNDDOWNの構文
ROUNDDOWN関数は、指定した桁数で数値の端数を切り捨てます。
-
桁数に -2 を指定 → 100円未満の切り捨て
-
桁数に -3 を指定 → 1,000円未満の切り捨て
どのくらいの単位で切り捨てるかは、第2引数で調整できます。
■ 使用例（セル A1 の金額を処理する場合）
| 式 | 結果 | 説明 |
|---|---|---|
=ROUNDDOWN(A1, -2) |
12,345 → 12,300 | 100円未満を切り捨て |
=ROUNDDOWN(A1, -3) |
12,345 → 12,000 | 1000円未満を切り捨て |
=ROUNDDOWN(A1, 0) |
1234.56 → 1234 | 小数点以下を切り捨て |
ROUNDDOWNは「桁数を変えるだけ」で自由に切り捨て単位を変えられる、非常に便利な関数です。
■ 実務での例（納品書）
たとえば、納品書の合計金額を100円未満切り捨てしたい場合は、次のように使います。
=ROUNDDOWN(SUM(D4:D8), -2)POINT：
-
計算結果が「数値」として扱えるため、後続の合計・税計算にも利用できます。
-
ROUND系関数の中でも最も実務で使いやすい関数です。
② INT関数＋割り算で切り捨てる（仕組みが理解しやすい）
次に紹介するのが INT関数 を使う方法です。
INTは「小数点以下を切り捨てる関数」なので、割り算と組み合わせることで100円単位の切り捨てもできます。
■ INT関数で100円未満を切り捨てる式
=INT(A1/100)*100● この式はどう動くの？
-
100で割って
例：12345 ÷ 100 = 123.45 -
INTで小数を切り捨てて
→ 123 -
100をかけて元の桁に戻します
→ 12,300
■ 使用例
| 式 | 結果 |
|---|---|
=INT(A1/100)*100 |
12,345 → 12,300 |
=INT(A1/1000)*1000 |
12,345 → 12,000 |
上の表だけではイメージしづらいので、実際のExcel画面でINT関数を入力した例も見てみましょう。
■ 実務での例（納品書）
INT関数を使って合計を切り捨てる場合は次のようになります。
=INT(SUM(D4:D8)/100)*100ROUNDDOWN関数と同じ結果になりますが、「数式の流れが見える」「理解しやすい」という利点があります。
ROUND系が苦手な方にもおすすめです。
③ VBAで自動的に端数を処理する方法（大量のデータに便利）
同じような切り捨て処理を何度も繰り返す場合や、大量の金額を一気に処理したいときは、VBAで自動化するととても便利です。
VBAサンプル（100円未満を一括切り捨て）
Sub CutOff100()
Dim cell As Range
For Each cell In Range("B2:B10")
If IsNumeric(cell.Value) Then
cell.Value = WorksheetFunction.RoundDown(cell.Value, -2)
End If
Next cell
End Subこのマクロを実行すると、B2～B10 の金額がまとめて100円未満で切り捨てられます。
請求書や売上リストなど、同じ処理を何度も行うときに非常に便利です。
番外編：表示形式による方法（1000円単位限定）
ここからは少し補足の内容です。
Excelには「ユーザー定義」という機能があり、
数値の見た目だけ を変えることができます。
ただしこの方法は「丸め」ではなく、
元の値はそのまま残る ので注意が必要です。
■ 1000円以下を非表示にする（見た目を整える用途）
- 対象のセルを選択した状態で右クリックし、セルの書式設定を選択
対象セルを右クリックし、「セルの書式設定」をクリックします。 - 表示形式タブのユーザー定義を選択
- 以下のように表示形式を設定してOKボタンを押す
#,##0,",000"例えば、12,345 という値があっても、画面上では 12,000 と表示されます。
ただし、
-
計算に使われる値は元のまま（12,345 のまま）
-
合計や税額は変わらない
という点は必ず覚えておきましょう。
印字するだけの場合など「見た目だけ揃えたい」場面には便利です。
■ 千円単位で表示する書式
金額を“千円単位”でざっくり見せたい資料でよく使われます。
■ 注意：表示形式では100円未満の切り捨てはできない
表示形式は「見た目だけ操作する機能」なので、
-
12,345 → 12,300 のような丸め
-
小数点以下の処理
といった操作はできません。
どうしても近い表現にしたい場合は、
INT関数で切り捨て → 表示形式で整える
という2段構えになりますが、工程が複雑になるので、初心者にはあまりおすすめしません。
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