エクセルで業務フローや手順書、プレゼン資料を作成する際、「矢印」を使ってわかりやすく図解したい場面は多いですよね。
まっすぐな矢印はすぐに挿入できますが、「コの字型」や「直角に折れた矢印」を使いたいとき、思ったような図形が見つからず苦労した経験はありませんか?
私自身、手順説明用の図解を作る中で、ちょうどよい矢印がなくて悩み、仕方なく複数の図形を組み合わせて対応していたことがあります。
ですが、実はエクセルの図形機能には、ちょっとしたコツで直角矢印や複雑な形も自在に作れる便利な機能がそろっているんです。
この記事では、「まっすぐ」「コの字型」「直角に折れた矢印」など、用途に合わせた矢印の描き方や編集のコツをわかりやすく解説します。
プレゼンや社内資料を視覚的に伝わりやすくしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
エクセルの矢印オートシェイプを自在に扱う基本テクニック
基本のまっすぐ矢印を挿入する方法
エクセルで矢印を挿入する基本操作はとても簡単です。
「挿入」タブ →「図形」→「線」カテゴリの中から「矢印」を選び、ドラッグで引くだけで、まっすぐな矢印を作成できます。
ポイント:
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Shiftキーを押しながらドラッグすると、斜めに傾かず水平・垂直・45度で固定されます。
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矢印の太さや色は、図形を右クリック →「図形の書式設定」から自由に変更できます。
↓画面右側に図形の書式設定メニューが表示されます。線の太さや色、矢印の形などを設定できます。
矢印の種類によって見た目や使い勝手が異なるため、用途に応じて「ブロック矢印」など他の形も試してみるとよいでしょう。
矢印を直角に折れ曲げたい!使える図形の種類
エクセルで「直角に曲がった矢印」を作成したい場合、標準の「直線」矢印だけでは表現が難しいことがあります。
そんなときは、次のような方法を試してみてください。
●フリーフォーム(図形)を使って手動で描く
「挿入」タブ →「図」→「図形」→「フリーフォーム(図形)」を選び、Shiftキーを押しながらクリックすることで、直角に折れた線を描くことができます。
↓描画の際にShiftキーを押しながらクリックすると直線を引くことができます。
描画後に、線の終点を右クリック →「図形の書式設定」→「線の種類」から矢印を追加することで、折れ曲がった矢印を作成できます。
●直線を組み合わせて「コの字」を表現する
3本の直線を使って「コの字型」に見せ、グループ化すれば移動や編集も簡単です。
- CtrlキーもしくはShiftキーを押しながら、グループ化したい図形を複数選択
- 選択した図形上で右クリックし、グループ化メニューを選択します。
🔍 補足説明
コの字型に見せたいときの工夫例
「コの字型」の矢印は、残念ながら1つのオートシェイプとしては用意されていません。
ですが、次のような方法で表現することができます。
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折れ線やカギ線コネクタで「コの字」を描く
→ 各角でクリックして、三辺の直角ラインを描きます。 -
直線を3本使って組み合わせる
→ 上、右、下の3本の線を「グループ化」して、全体で「コの字」に見せます。 -
図形の回転を活用する
→ 直線と矢印の向きを調整し、組み合わせることで自在に向きを変えられます。
このように工夫することで、「コの字型の動き」や「L字に折れた流れ」を表現できます。
「Uターン矢印を活用してコの字型を再現する方法」
コの字型の矢印を作りたいとき、ブロック矢印の「Uターン」を使うのも便利な方法です。
図形を挿入後、回転ハンドルや黄色い調整ポイントを使って、角度や矢印部分のサイズを自由に調整できます。
図形編集のコツ:
Shiftキーを押しながら回転すると、15度単位で角度が固定されて整いやすくなります。
矢印部分が大きすぎる場合は、黄色のハンドルを使って先端を短くするとバランスが取れます。
見た目の安定感もあり、資料の整合性を保ちたいときにおすすめの方法です。
矢印の形状を微調整する方法
図形の形状を細かく調整するには、以下の機能が役立ちます。
- 頂点の編集
→ 図形を右クリック →「頂点の編集」で、折れ線やフリーフォームの角をドラッグして調整できます。
図形であれば細部の調整を行うことができます。※コネクタは対象外です。
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ハンドルの操作
→ 曲線やブロック矢印では、白い◯や黄色い●の「ハンドル」を動かして角度や太さを変更できます。
白い○でサイズ、黄色い●で形の詳細を編集することができます。
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図形の回転・サイズ変更
→ 回転マークや枠のドラッグで、全体の方向や長さを整えます。
細かい操作は少し慣れが必要ですが、使いこなすことで資料の見た目が格段に良くなります。
プレゼンや業務図解で見栄えよく仕上げるコツ
見やすく伝わる配置・デザインのポイント
矢印は情報の流れや関係性を示す重要な要素です。見た目を整えることで、相手にとって理解しやすい図解になります。
配置・デザインのコツ:
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矢印の始点・終点を揃える: 位置がずれていると見づらくなるため、図形同士の整列機能を活用しましょう。
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線の太さや色に統一感を持たせる: バラバラな装飾は雑多な印象になります。情報の強弱に応じて色を変えるのは効果的です。
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必要以上に矢印を使いすぎない: 矢印だらけになると逆に混乱を招くため、伝えたい流れに絞って使いましょう。
図形の整列や間隔調整には「描画ツール」の「配置」や「グリッドに合わせる」機能も活用すると便利です。
作業効率UP!便利なテクニック3選
複雑な図を何度も作る場合、作業効率を上げるテクニックを活用することで時短になります。
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コピー&整列で複製
→ 図形をCtrlキー+ドラッグで複製。等間隔で整えるには「配置」メニューが便利です。
※「配置」メニューは図形を選択した状態で[図形の書式]タブを選択すると表示することができます。
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グループ化して一体管理
→ 複数の図形を選択 →「右クリック」→「グループ化」で、まとめて移動やコピーが可能になります。
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ShiftキーとAltキーの併用
→ Shift:まっすぐな線を保つ/Alt:セルの境界にピタッと吸着。正確な配置に最適です。
一度作った図形をテンプレートとして保存しておくと、次回以降の作成がよりスムーズになります。
応用編|直角に曲げた矢印をテンプレート化するには
毎回同じ形の矢印を描くのが面倒な場合、よく使う図形をテンプレート化しておくと非常に便利です。
方法①:よく使う図形をコピー元として保存
→ 別シートに図形だけをまとめておくと、コピー&貼り付けですぐに再利用できます。
方法②:画像として保存
→ 図形を選択 →「右クリック」→「図として保存」で画像化すれば、他資料でも使えます。
[挿入]タブ→「図」→「画像」→「セルの上に配置」→「このデバイス」を選択し、呼び出したい画像を選択します。
保存した画像のまま、透過状態の矢印が挿入されます。
方法③:Officeテンプレートに含める
→ 作成した図形入りのひな型ファイル(.xlsxや.xltx)をテンプレ化しておくと、複数人で共有も可能です。
.xltx形式で保存しておくと、「元のテンプレートを残したまま、常に新しいファイルとして開ける」ため、誤って編集・上書きしてしまうリスクを防げます。
特に社内で複数人が同じ形式の図を使う場合、このテンプレート化が業務効率のカギになります。
実際に使った例|私の図解テクニック(経験談)
私が資料作成の中で実際に困ったのが、「L字やコの字型の矢印を入れたいのに、それっぽい図形が見つからない」ことでした。
最初は線を3本組み合わせて、なんとか形にしていましたが、見た目も不安定で修正が大変…。
現在は、フリーフォーム(図形)をShiftキーで直線描画しながら作成・編集したり、複数の図形をグループ化してテンプレート化しておく方法に落ち着いています。
よく使う形は別シートやテンプレートファイル(.xltx)にまとめて保存しておくことで、別資料でもすぐに再利用でき、図解作業がとても効率化されました。
まとめ
エクセルで矢印を使って図解を作成する際、「直角に曲げたい」「コの字型にしたい」といった細かい要望に応えるには、基本的な図形操作に加えてちょっとした工夫が必要です。
今回ご紹介したように、
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矢印の種類を使い分ける
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図形を組み合わせて自在にレイアウトする
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グループ化やテンプレート化で作業を効率化する
といったテクニックを活用することで、見やすく伝わりやすい図解が短時間で作れるようになります。
とくに業務フローやプレゼン資料などでは、視覚的なわかりやすさが伝達力を大きく左右します。
ぜひ本記事の内容を活かして、エクセルでもっと自由な矢印図解にチャレンジしてみてください。