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Power Query(パワークエリ)は、
Excel作業を大きく効率化してくれる便利な機能です。
しかし、実際に使い始めてみると、
-
更新しようとしたらエラーが出た
-
昨日まで動いていたのに、突然読み込めなくなった
-
何を直せばいいのか分からず、クエリだけが増えていく
といった 「エラーの壁」 にぶつかる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、Power Queryを知識としては理解していたものの、
実務で使い始めたときに 更新エラーやリンク切れ で何度も戸惑いました。
Power Queryのエラーは、大きく分けると次の2種類があります。
-
クエリ自体が動かないエラー(読み込み・更新・ステップ変更時)
-
データの中に含まれるエラー(エラー行・エラー値の処理)
この記事ではまず前半として、
Power Queryのクエリが動かなくなるエラーの原因と対処法を、
初心者の方にも分かるように整理して解説します。
「Power Queryって難しそう…」と感じている方でも、
エラーの正体が分かるだけで、かなり気持ちが楽になりますので、
ぜひ順番に読み進めてみてください。
Power Query の「クエリが動かないエラー」の原因と対処法
Power Queryを使っていて最初につまずきやすいのが、
クエリが更新できない・読み込めないエラーです。
これはデータの中身以前に、
Power Queryが参照している「場所」や「構造」が変わったことで起こるケースがほとんどです。
ここでは、初心者の方が特につまずきやすい代表的な原因を紹介します。
データソースが見つからない(リンク切れ・更新エラー)
Power Queryのエラーで最も多いのが、
データソースが見つからないことによる更新エラーです。
たとえば、次のようなケースが該当します。
-
参照しているExcelファイルを移動した
-
フォルダ構成を整理した
-
ファイル名を変更した
一見すると
「同じフォルダに置いているのに、なぜ?」
と感じることもありますが、Power Queryは
作成時点のフルパス(保存場所)を記憶しているため、
少しでも場所が変わるとリンク切れを起こします。
この状態になると、更新時に
-
ファイルが見つかりません
-
データを読み込めません
といったエラーが表示されます。
初心者の方が混乱しやすいポイントですが、
クエリ自体が壊れたわけではありません。
多くの場合は、
「データソースの設定」を修正するだけで解決できます。



シート名・テーブル名を変更してしまった場合
Power Queryでは、
シート名やテーブル名を指定してデータを取得していることが多いです。
そのため、
-
Excel側でシート名を変更した
-
テーブルを作り直した
-
見やすさのために名前を少し変えた
といった操作を行うと、
Power Query側で 参照先が見つからなくなりエラーになります。
特に、テストデータを使って検証しているときに
後からシート名を変えてしまい、
「昨日まで動いていたのに、急にエラーが出た…」
という状況になりがちです。
このようなトラブルを避けるには、
-
シート名・列名はできるだけ固定する
-
項目構成が決まったデータを使う
といった意識が大切です。
Accessや、定型フォーマットで出力されるデータが
Power Queryに向いていると言われる理由も、ここにあります。

クエリを作成した時点では、元データのシート名は「Sheet1」でした。
しかし、Power Queryの作成後に
元データ側でシート名が「社員データ」に変更されていたため、
Power Query側で「Sheet1が見つからない」というエラーが表示されています。
このように、Power Queryは
作成時に指定したシート名をそのまま参照するため、
後からシート名が変わると、参照エラーが発生します。


ステップ変更後に突然エラーが出る理由
列名や列の有無が変わると、
後の処理がエラーになることがあります。
これは、Power Queryでは、
操作の一つひとつが「ステップ」として記録されているためです。
そのため、途中のステップで
-
列名を変更した
-
列を削除した
場合、
後続のステップが参照できなくなりエラーが出ることがあります。
このとき、
-
前のステップに戻すと直る
-
どこが悪いのか分からない
と感じる方も多いと思います。
これはPower Queryの仕様によるもので、
「後の処理ほど、前の構造に依存している」ためです。
初心者のうちは、
-
エラーが出たら直前のステップを確認する
-
列名・列数の変更後は特に注意する
という点を意識するだけでも、
原因を特定しやすくなります。
エラーの例:

このエラーは、ステップの順番が原因で発生しています。
今回の例では、次のような操作を行っていました。
① 列名を変更した
「社員番号」→「社員コード」
② 列の並び替えを行った
「社員コード」列を指定して並び替え
しかし、ステップの順番が逆になっていたため、
「社員コード」という列が存在しない状態で
並び替え処理が実行され、エラーが発生しています。
ステップの順番を正しく並べ直すことで、
エラーは解消されました。

クエリが増殖してしまう問題と正しい直し方

エラーが出たときに、
クエリを作り直してしまう方も少なくありません。
私自身も、Power Queryエディターの開き方が分からず、
同じ元データを何度も読み込んでしまい、
似たクエリが増えてしまったことがあります。
しかし、多くの場合は
既存のクエリをエディターで開き、
「ソース」や「ステップ」を修正するだけで解決できます。
Power Queryでは、
-
クエリ全体を捨てる必要はほとんどない
-
エラー=作り直しではない
という点を覚えておくだけでも、
無駄な手戻りを防ぐことができます。
また、エラーが原因でなくても、
Power Queryエディターの開き方が分からず、
新しくクエリを作成してしまうケースもあります。
私自身も、初回で開いていたエディター画面を
どうやって再表示するのか分からず、
同じ元データを使ったクエリを増やしてしまった経験があります。
Power Queryエディターの開き方はこちらの記事で解説しています。
▶Power Query エディターはどこ?開き方と画面の見方を初心者向けに解説
なお、あえて同じ元データを使って複数のクエリを作成する場合は、
クエリ名を用途ごとに分けておくと、後から混乱しにくくなります。

エラー対応法は元データを修正orPower Queryで修正?
Power Queryのエラー対応について調べていると、
「元データを修正する方法」と
「Power Query側で対応する方法」
の両方が紹介されていることに気づくかと思います。
どちらが正解、というわけではなく、
作業環境やチームの運用ルールによって、
適した対応は変わります。
たとえば、チームで作業している場合、
-
誰かが良かれと思ってファイル名を変更した
-
シート名や項目名を分かりやすく修正した
-
ファイルを整理するためにフォルダを移動した
といったことが原因で、
Power Queryの更新エラーが発生するケースも少なくありません。
このような場合、
-
元データ側でルールを決めて修正する方が安全な職場
-
元データには手を触れず、Power Query側で吸収する方が現実的な職場
のどちらかに分かれることが多いです。
Power Queryはとても柔軟な機能ですが、
すべてをPower Query側で無理に対応しようとすると、
逆に管理が複雑になることもあります。
まずは、
-
自分が使っているデータは「個人管理」なのか
-
複数人で共有・更新されるデータなのか
を意識したうえで、
「元データを直すのか」「Power Queryで対応するのか」
を判断できるようになると、エラー対応がぐっと楽になります。
元データを修正する?Power Queryで対応する?簡易チェック表
ここからは、「どちらで対応すべきか」を
ざっくり判断するための目安を紹介します。
以下のチェック表を参考に、
当てはまる項目が多い方を目安に考えてみてください。
※▲が付いている項目は、事前のすり合わせが特に重要です。
| チェック項目 | 元データを修正する | Power Queryで対応する |
|---|---|---|
| データは自分一人で管理している | ○ | |
| ファイル名・シート名・項目名を自由に変更できる | ○ | |
| 元データの形式が毎回ほぼ同じ | ○ | |
| データの品質を根本から改善したい | ○ | |
| 複数人でファイルを共有している | ▲ | ▲ |
| 他の担当者がマクロやPower Queryを使う可能性がある | ▲ | ▲ |
| 外部から受け取ったCSV・データを使っている | ○ | |
| 元データには手を加えられない | ○ | |
| とりあえず自動化を止めたくない | ○ |
▲ 複数人でファイルを共有している場合の注意点
複数人で同じファイルを扱っている場合、
「元データを修正する」「Power Queryで対応する」
どちらか一方に決め打ちするのは危険なケースがあります。
たとえば、
-
他の担当者がマクロやPower Queryを利用している
-
ファイル名や項目名を、良かれと思って変更してしまう
-
変更内容が共有されないまま作業が進む
といった状況では、
無断での変更が原因でエラーが発生し、
自動処理が動かなくなる可能性があります。
そのため、チームでファイルを共有している場合は、
-
どこまで変更してよいのか
-
変更が必要な場合は、事前に相談する
-
Power Queryやマクロを使っている人がいるか確認する
といった 運用ルールのすり合わせ がとても重要です。
Power Queryは便利な反面、
前提となる構造が変わると動かなくなるため、
「誰が、何を、どこまで変更してよいか」
を決めておくだけでも、エラーの発生を大きく減らせます。
チェック表の使い方まとめ
-
○が多い → その方向を基本方針にする
-
▲が多い → 単独判断せず、チームで相談する
-
迷ったら → 小さく試してから本格運用する
Power Query の「データ内エラー」を確認・処理する方法
前章では、
Power Query のクエリ自体が動かないエラーについて解説しました。
ここからはもう一つの代表的なエラーである、
データの中に含まれるエラーの確認方法と対処法を見ていきます。
こちらは特に、
-
CSVデータ
-
外部から受け取ったデータ
-
他人が作成したデータ
を扱うときに、よく発生します。
Power Query でエラー行を確認する方法
Power Queryでは、
データの中に問題がある場合、セルに 「エラー」 と表示されます。
これはExcelの #N/A や #VALUE! とは少し異なり、
変換処理の途中で値として扱えなかったことを意味しています。
よくある例としては、
-
数値に変換できない文字が含まれている
-
日付として認識できない形式が混ざっている
-
空白や特殊文字が原因で変換に失敗している
といったケースです。


Power Queryエディターでは、
-
エラーがある列だけをすぐに確認できる
-
フィルターのようにエラー行を抽出できる
ため、
「どこに問題があるのか分からない」という状況にはなりにくいのが特徴です。
エラーがある行を削除する(一括処理)
「このデータは使えないから、まとめて削除したい」
という場合に便利なのが、エラー行の削除機能です。
Power Queryでは、
-
エラーが含まれている行だけを削除
-
特定の列でエラーになっている行を削除
といった処理を、数クリックで一括実行できます。
たとえば、
-
欠損データが多く、分析に使えない
-
不正な値が混ざっている行は不要
といったケースでは、
無理に修正するより 削除してしまった方が安全なこともあります。
初心者のうちは、
「エラー=全部直さなければいけない」
と思いがちですが、
不要なデータを切り捨てる判断も大切です。


エラーを置き換える(空白・0・文字など)
一方で、
-
行は残したい
-
エラー部分だけを無害化したい
というケースもあります。
その場合は、
エラーを別の値に置き換える処理が有効です。
![Power Queryエディターの[変換]タブで「値の置換」を選択している画面](https://dailyexcelhacks.blog/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
よく使われる置き換え例としては、
-
空白に置き換える
-
0 に置き換える
-
「不明」「未入力」などの文字に置き換える
といった方法があります。


特に、外部から受け取ったCSVデータでは、
-
表記ゆれ
-
全角・半角の混在
-
環境依存文字
などが原因で、
「置き換えたはずなのに、またエラーが出てくる」
ということも珍しくありません。
Power Queryはとても便利ですが、
元データが極端に汚い場合は、
どうしても限界があります。
この点を知っておくだけでも、
「自分の操作が悪いのでは?」と
悩みすぎずに済みます。
nullはエラーなの?
なお、Power Queryで表示される「null」はエラーではありません。
「値が存在しない」という状態を表しており、
- 元データが空白だった場合
- マージ時に一致するデータがなかった場合
などに表示されます。
[空白行の削除]メニューで削除できるのは、すべての項目が空白の行だけ
![Power Queryエディターの[行の削除]メニューから「空白行の削除」を選択している画面](https://dailyexcelhacks.blog/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
[空白行の削除]を使うと、
すべての列が空白(null)の行だけをまとめて削除できます。
[行の削除]メニュー内には、
[空白行の削除]という項目があります。
この機能は、
すべての列が空白(null)の行だけを削除する仕組みのため、
一部の列に値が入っている行は削除されません。
「空白が含まれている行すべてが消えるわけではない」
という点に注意しましょう。
すべてを Power Query で解決しなくていい
実務や副業でデータを扱っていると、
-
提供されるデータの質が安定しない
-
修正をお願いしても改善されない
といった状況に直面することもあります。
Power Queryを使えば多くの処理を自動化できますが、
すべてを完璧に吸収しようとすると、かえって大変です。
ときには、
-
手作業で事前に整形する
-
「ここまで」と割り切る
-
そもそも条件の合わない仕事は受けない
といった判断も必要になります。
Power Queryはあくまで「道具」なので、
無理に万能に使おうとしなくて大丈夫です。
まとめ
Power Queryのエラーは、
次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
-
クエリが動かないエラー
→ データソース・構造・ステップの問題 -
データ内のエラー
→ 値の変換・欠損・表記ゆれの問題
エラーが出ると不安になりますが、
原因を切り分けて見ていけば、
必要以上に悩むことはありません。
「直すエラー」「削除するエラー」「割り切るエラー」
この見極めができるようになると、
Power Queryは単なる自動化ツールではなく、
**実務を支える心強い味方**になってくれます。
よくある質問(Q&A)
Q1. Power Queryでエラーが発生する主な種類は何ですか?
A. Power Queryのエラーは、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、
クエリ自体が動かなくなるエラーです。
これは、データソースの場所が変わったり、シート名や列名を変更したりしたときに発生します。
2つ目は、
データの中に含まれるエラーです。
数値に変換できない文字や、日付として認識できない値などが原因で起こります。
まずは
「クエリのエラーなのか」「データのエラーなのか」
を切り分けることが、解決への近道です。
Q2. Power Queryのエラーを解除するにはどうすればいいですか?
A. エラーの種類によって対処法が異なります。
-
更新できない・読み込めない場合
→ データソースや参照先(ファイル・シート名)を確認します。 -
データ内にエラーがある場合
→ エラー行の削除や、値の置き換えを行います。
エラーが出たからといって、
クエリを作り直す必要はほとんどありません。
多くの場合は、最初の設定や一部のステップを修正するだけで解決できます。
Q3. Power Queryでエラーがある行だけ削除することはできますか?
A. はい、可能です。
Power Queryには、
エラーが含まれている行を一括で削除する機能があります。
この機能を使えば、
-
欠損や不正な値がある行だけを除外
-
分析や集計に不要なデータをまとめて削除
といった処理が簡単に行えます。
無理にすべてのエラーを修正するより、
不要な行は削除するという判断も、実務ではよく使われます。
Q4. Power Queryでエラーを0や空白に置き換えることはできますか?
A. はい、エラーを別の値に置き換えることができます。
Power Queryでは、
-
エラー → 空白
-
エラー → 0
-
エラー → 任意の文字(例:「不明」)
といった置き換え処理が可能です。
「行は残したいが、エラーのままでは困る」
という場合に、とても便利な機能です。
ただし、
元データの表記ゆれや特殊文字が原因の場合、
後から再びエラーが出ることもある
点には注意しましょう。
Q5. Power BIのPower Queryでもエラーの置き換えはできますか?
A. はい、基本的な考え方と操作は共通です。
Power BIのPower Queryでも、
-
エラーの確認
-
エラー行の削除
-
エラーの置き換え
といった処理が可能です。
Excel版と画面構成は少し異なりますが、
エラーの考え方や対処方法はほぼ同じなので、
Excelで慣れておくとPower BIでも応用しやすくなります。
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