エクセルでQRコードを作成する基本と応用テクニック
エクセルでQRコードが作れると知ったときの驚き
最近、「エクセルでQRコードが作成できる」と知り、正直とても驚きました。これまでQRコードといえば、専用のアプリやウェブサービスを使って生成するのが一般的だと思っていたからです。
しかし、実はMicrosoft公式が提供しているアドイン「QR4Office」を使えば、エクセル上で簡単にQRコードを作ることができるのです。しかも、特別な知識やソフトを用意する必要はありません。無料で利用でき、操作も非常にシンプルです。
この機能を使えば、名刺やチラシ、申請書などの資料にQRコードを追加するのはもちろん、商品ラベルや在庫管理など、業務の効率化にもつながります。
この記事では、以下のような疑問やニーズにお応えします。
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エクセルでQRコードを簡単に作成する方法が知りたい
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複数セルのデータから一括でQRコードを作りたい
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作成したQRコードがうまく読み取れないときの原因と対処法を知りたい
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QRコードを画像として保存して、他の資料に活用したい
ビジネスでもプライベートでも活用できるエクセルのQRコード機能を、ぜひマスターしてみてください。

エクセルでQRコードを作成する基本と応用テクニック
QR4Officeを使ったQRコード作成の手順
エクセルでQRコードを作成するには、「QR4Office(キューアールフォーオフィス)」という無料のアドインを使うのがもっとも手軽でおすすめです。インストールも簡単で、数クリックで準備が整います。

アドインのインストール方法
QR4OfficeはMicrosoftが提供している公式アドインです。以下の手順で簡単にインストールできます。
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エクセルを開き、[ホーム]タブ→[アドイン]メニューを選択します。
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表示されたアドインストアの検索欄に「QR4Office」と入力して検索します。
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「QR4Office」が表示されたら、「追加」ボタンをクリックします。
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利用規約に同意してインストールを完了します。
インストールが完了すると、[ホーム]タブ内の[アドイン]からQR4Officeを開けるようになります。
QRコードを作成する手順
アドインが使えるようになったら、QRコードの作成はとても簡単です。
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「ホーム > アドイン > QR4Office」を選択してアドインを起動します。
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エクセル画面の右側にQR4Officeのパネルが表示されます。
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「Enter your data」と書かれた欄に、QRコードにしたい文字やURLを入力します。
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「Insert」ボタンをクリックすると、QRコードがシート内に挿入されます。
たったこれだけの操作で、エクセル上にQRコードを貼り付けることができます。
カスタマイズのポイント
QR4Officeでは、以下のような設定でQRコードの見た目を調整できます。
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サイズ調整(Sizeスライダーで変更可能)
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色の変更(前景色・背景色をカスタム可能)
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エラー修正レベルの設定(読み取り精度に影響)
デザインや用途に合わせて、適宜調整してみてください。
このように、QR4Officeを使えば、誰でも手軽にエクセルでQRコードを作成できます。
次は、複数のセルに入力されたデータからQRコードを一括作成する方法をご紹介します。
エクセルでQRコードを作成する基本と応用テクニック
複数セルからQRコードを一括作成する方法
QR4Officeを使えば、単体のQRコードはすぐに作成できますが、複数のセルにあるデータを一括でQRコードに変換したいというケースもあります。たとえば、名簿一覧や商品コード、アンケートのURL一覧など、大量のデータに対して1件ずつ手動で作成するのは現実的ではありません。
ここでは、複数セルからQRコードをまとめて作成するためのアプローチをご紹介します。
QR4Officeで複数のQRコードを手動で作成する場合の工夫
QR4Officeは一度に1つのQRコードしか作成できない仕様ですが、少しの工夫で作業効率を高めることができます。
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アドインを開いたまま、入力欄の内容を次々と変更して「Insert」する
→ 入力欄にセルの内容をコピー&ペーストして、連続作成すると効率的です。 -
QRコードの貼り付け位置をあらかじめ整えておく
→ 例えば「QRコード用の列」を準備しておけば、見た目も整理しやすくなります。 -
色やサイズを統一したい場合は、最初に一度だけ設定してアドイン画面を開いたまま作業を続けるのがポイントです。
→ 一度アドインを閉じてしまうと、以前の設定(色・サイズ・エラー修正レベルなど)は初期化されてしまいます。
一度挿入されたQRコードは、ただの画像(図形)として扱われ、アドインと連動しないため、後から選択して内容だけを変更・上書きすることはできません。
「画像を複製して内容だけ入れ替える」といった操作はできない仕様になっています。
マクロ(VBA)による一括作成の導入
大量のQRコードを効率よく作成したい場合は、エクセルVBA(マクロ)を使った自動化がおすすめです。
VBAを使えば、セルに入力されたデータを順に読み取り、GoogleのChart APIなどの外部サービスを使って、対応するQRコード画像を取得し、指定した位置に自動で貼り付けることができます。
この方法を使えば、数十件〜数百件のQRコードでも一括生成が可能になります。
作業時間を大幅に削減でき、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
※マクロを使ったQRコードの一括作成方法については、別記事にてコード付きで詳しくご紹介しています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
ExcelでQRコードを複数作成する方法まとめ|関数・VBA・アドインを比較解説!
エクセルでQRコードを作成する基本と応用テクニック
QRコード作成時のよくあるトラブルと対処法
QRコードの作成は基本的に簡単ですが、実際に使ってみると「なぜか表示されない」「スマホで読み取れない」といったトラブルに遭遇することもあります。ここでは、よくあるトラブルの原因とその解決方法をご紹介します。
QRコードが作成できない・動かないとき
QR4OfficeでQRコードがうまく表示されない場合、以下のような原因が考えられます。
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インターネットに接続されていない
QR4OfficeはオンラインでQRコードを生成する仕組みのため、ネット接続が必須です。オフラインでは動作しませんので、まずは接続環境を確認しましょう。 -
アドインが正しく読み込まれていない
エクセルを再起動することで正常に動作する場合があります。一度エクセルを閉じて、再度「アドイン」から起動してみましょう。 -
セキュリティ設定やネットワーク制限が原因
社内のセキュリティ設定やプロキシなどによって、外部サービスとの通信がブロックされている場合があります。この場合は、IT部門や管理者に相談しましょう。
作成したQRコードが読み取れない
QRコードが生成されても、スマホなどでうまく読み取れない場合は、以下の点をチェックしてみてください。
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QRコードのサイズが小さすぎる
小さすぎると、カメラで正確に読み取れないことがあります。特に印刷する場合は、ある程度大きさを確保しましょう。 -
色の組み合わせが読みにくい
QRコードの前景色と背景色に十分なコントラストがないと、読み取りが困難になります。特に「淡い色」や「背景が暗い色」は注意が必要です。 -
データ量が多すぎる
長すぎるURLや大量の文字列を入力すると、QRコードの密度が高くなり、読み取りが難しくなります。URL短縮サービスなどの併用がおすすめです。
エクセルのバージョンによる制限
QR4Officeはエクセル2016以降に対応していますが、環境によってはうまく表示されない場合があります。
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「エクセル2016でQRコードが作れない」という声もありますが、Officeの更新プログラムが適用されていないことが原因の場合があります。
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アドインが見つからない場合は、[ホーム]タブ内の表示形式やアドイン管理画面を見直してみてください。
[アドイン]メニューが表示されていない場合は、[ファイル]→[オプション]→[リボンのユーザー設定]にて[アドイン]コマンドを追加すると表示することができます。
このように、トラブルが発生した場合は**「インターネット接続」「サイズ・色の確認」「データの長さ」**などを見直すことで、多くの問題が解消されます。
次章からは、QRコードを画像として保存する方法や、他ソフトとの連携活用術についてご紹介していきます。
作成したQRコードの活用術と連携方法
QRコードを画像として保存する基本手順
エクセルで作成したQRコードは、シート上に画像として挿入されるため、そのまま保存して他のソフトで利用することができます。ここでは、QRコードを画像ファイルとして保存する基本的な手順をご紹介します。
QRコード画像の保存方法(右クリックで簡単)
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エクセルシート上にあるQRコードの上で右クリックします。
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表示されたメニューから「図として保存」または「画像として保存」を選択します。
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任意の保存先とファイル名を入力し、保存形式(PNG・JPG・BMPなど)を指定して保存します。
この手順で、エクセル上のQRコードを画像ファイルとして出力することができます。
保存できない・メニューが出ないときの対処法
一部の環境では、右クリックメニューに「図として保存」が表示されない場合があります。
その場合は以下の方法を試してみてください。
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QRコードを選択 → コピー(Ctrl + C) → ペイントなどに貼り付けて保存
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QRコードをスクリーンショットで保存する(応急処置)
これらの方法でも画像として保存は可能ですが、できれば右クリック保存が最も手軽かつ高画質なのでおすすめです。
保存形式の選び方
保存時には複数の画像形式が選べます。主な違いは以下の通りです。
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PNG(推奨):画質が良く、背景が透明になる。印刷物やWebどちらにも向いています。
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JPG:軽量でWeb向け。細かい模様に弱い場合があります。
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BMP:非圧縮で高画質ですが、ファイルサイズが大きくなります。
特別な理由がなければ、「PNG形式での保存」が最もバランスが良く、おすすめです。
作成したQRコードの活用術と連携方法
Word・PowerPointなど他のOffice製品への貼り付け
エクセルで作成したQRコードは、WordやPowerPointなど他のOfficeソフトと簡単に連携できます。プレゼン資料や配布文書、チラシ、報告書など、あらゆる場面で活用できるのが便利なポイントです。
WordにQRコードを貼り付ける手順
QRコードをWordに挿入する方法はとてもシンプルです。
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エクセルで作成したQRコードをクリックして選択します。
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**コピー(Ctrl + C)**します。
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Wordを開いて、QRコードを挿入したい場所で**貼り付け(Ctrl + V)**します。
この操作だけで、QRコードがWord文書に画像として貼り付けられます。サイズ調整や位置の微調整も簡単に行えます。
PowerPointへの貼り付けも同様
PowerPointでも同様の手順でQRコードを貼り付けられます。プレゼン資料のスライドにQRコードを載せておけば、聴講者がスマホで読み取ってすぐにアクセスできるのでとても便利です。
プレゼンの最後に「アンケートはこちらから」「詳細情報はこちら」とQRコードを提示すると、参加者の行動を促すことができます。
他のアプリケーションとの連携も可能
エクセルで画像として保存したQRコードは、以下のような用途にも活用できます。
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名刺・パンフレット・チラシへの掲載(WordやDTPソフトで使用)
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Google ドキュメントやスライドへの貼り付け
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**画像編集ソフト(PhotoshopやCanvaなど)**でのデザイン作業
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社内報・社外資料への挿入や印刷物への埋め込み
こうした連携により、エクセルで作成したQRコードをさまざまな形式・シーンで再利用することができます。
作成したQRコードの活用術と連携方法
印刷物や他ソフトでの応用例と活用メリット
エクセルで作成したQRコードは、画像として保存・コピーできるため、印刷物や他のアプリケーションで幅広く活用できます。ここでは、業務や日常で役立つ具体的な活用例と、QRコード導入によるメリットをご紹介します。
よく使われる応用シーン
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名刺やチラシにQRコードを印刷
→ 企業サイトやSNS、連絡先などへのアクセスをスムーズに促せます。 -
申請書やアンケート用紙にQRコードを添付
→ フォームや回収用ページへ誘導すれば、ペーパーレスでの回収が可能になります。 -
商品ラベルや在庫管理タグへの活用
→ 商品コードや管理番号、取扱説明リンクなどをQRコード化することで、スキャンによる情報管理が実現できます。 -
イベント案内・講演資料などに掲載
→ 日程・場所・申し込みフォームなどをQRコードで案内できます。
QRコードを活用するメリット
QRコードを業務や資料に取り入れることで、次のような効果が期待できます。
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入力の手間を削減できる
→ URLや文字列を手入力する必要がなく、スキャンひとつでアクセスできます。 -
情報共有がスムーズになる
→ チーム内外でリンクやデータを渡すときにも便利です。 -
紙資料とデジタルをつなぐことができる
→ 印刷物にQRコードを添えることで、Webページやクラウド上の情報へ簡単に導けます。 -
業務の効率化やミスの防止につながる
→ 人の目で確認・入力する工程が減ることで、ヒューマンエラーを減らせます。
エクセルとQRコードを組み合わせることで、デジタルとアナログの橋渡しが簡単にできるようになります。ちょっとした工夫で、業務効率や情報共有の質を大きく改善できる点が魅力です。