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報告書やプレゼン資料を作成する際、売上やアンケート結果などの「構成比(全体に対する割合)」を求める機会は意外と多いものです。
Excelでは簡単な式で構成比を算出できますが、実際にやってみると「エラーが出る」「%の表示がうまくいかない」といった壁にぶつかることも少なくありません。
この記事では、構成比の基本的な計算方法から、エラー対策、見やすい表示形式の設定、グラフでの可視化方法まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容を丁寧に解説します。
Excelでの構成比計算をマスターして、資料作成のクオリティを一段アップさせましょう!
構成比をExcelで求める基本とエラー対処
構成比とは?全体に対する割合の意味
「構成比」とは、全体の中で特定の項目がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。
たとえば、売上データで「A商品が全体売上の何%か」を示したい場合に使われます。
商品名 | 売上(円) |
---|---|
A商品 | 30,000 |
B商品 | 20,000 |
C商品 | 50,000 |
合計 | 100,000 |
このようなデータがある場合、A商品の構成比は 30,000 ÷ 100,000 = 0.3
(=30%)となります。
構成比を求める基本式と例
構成比の計算は、基本的に以下の式で求めます。
構成比(%)= 各項目 ÷ 合計 × 100
Excelでは、「=セル ÷ 合計セル」と入力すればOKです。
上の表を例にすると、A商品の構成比は以下のように計算します。
このように「合計セル」を絶対参照($
付き)にすることで、他のセルにコピーしても参照先がズレません。
参照先の設定が相対参照のままで計算し、計算式をコピーしてしまった場合。参照先がずれて2行目以降がエラー表示になっています。
0で割るとエラー?IFERRORで安全に
構成比の計算でよくあるトラブルが、「合計が0になってしまってエラーになる」ケースです。
たとえば、全ての売上が0円だった場合、=B2/0
のような式になり、「#DIV/0!」というエラーが表示されてしまいます。
このような場合は、IFERROR関数を使って、エラーが出ないように処理を追加するのが便利です。
=IFERROR(B2/$B$5, "")
この式では、もし割り算でエラーが出たら「空欄(””)」を表示するようにしています。
他にも "-"
や "0%"
などに置き換えることも可能です。
IFERROR関数については以下の記事もご参考ください。
IFERROR関数とIF関数の違いとは?エラー処理の使い分けを実務例でわかりやすく解説
%表示にする方法と注意点
構成比を表示する際は、単純に「0.3」のような小数ではなく、「30%」のようにパーセント形式で表示したいですよね。
その場合は、セルの書式設定で「パーセンテージ」を選択することで、簡単に「%」表示に変えられます。
設定手順(Excel 365・2021など)
-
構成比を表示しているセルを選択
-
右クリック → [セルの書式設定]
-
表示形式タブ →「パーセンテージ」を選択
-
小数点以下の桁数を指定(例:0〜1桁)
ただし、表示形式を「パーセンテージ」に変えると、自動的に「×100」がかかる点に注意しましょう。
のような式で、セルの表示形式を「パーセント」に設定すると、自動的に「30%」のように表示されます。
逆に、数式内で ×100
をしてしまうと、「3000%」のように過剰な値になってしまうので注意が必要です。
ROUND・TEXT関数で表示を整える
構成比の値が「30.123456%」のように細かく表示されてしまうと、資料としては見づらくなってしまいます。
このような場合は、ROUND関数やTEXT関数を使って桁数を調整すると、スッキリとした見た目に整えることができます。
ROUND関数で数値を四捨五入する
=ROUND(B2/$B$5, 2)
このように書くと、小数点第2位までの数値(例:0.30)に四捨五入されます。
そのうえで、セルの表示形式を「パーセンテージ」に設定すれば、「30%」のように見やすい表示になります。
構成比を小数点第2位までで四捨五入した例。数値をきれいに整えることで、資料として読みやすくなります。
TEXT関数で文字列として表示を整える
=TEXT(B2/$B$5, "0.0%")
この式では、「30.0%」のように小数第1位までの%表示を文字列として整えてくれます。
書式の指定は "0%"
や "0.00%"
など、用途に応じて調整できます。
TEXT関数を使って「36.4%」のように文字列として整形した例。他の文字と組み合わせたいときに便利です。
使い分けの目安
表示形式とTEXT関数の違いと使い分け
構成比を「%」で表示する方法には、主に以下の2種類があります。
方法 | 特徴 |
---|---|
表示形式 | セルの「見た目」だけを変更。中身は数値のままで、グラフや計算にも使える |
TEXT関数 | 数値を文字列として整形。他の文字とつなげたいときに便利 |
-
「30%」のように単純に%で表示したい → 表示形式でOK
-
「構成比は30%です」のように文章と組み合わせたい → TEXT関数が必要
このように、文中で使いたいときや他の文字と結合したい場合にはTEXT関数が活躍します。
一方で、合計やグラフの材料に使いたい場合は、数値のまま扱える表示形式の方が安全で便利です。
構成比をわかりやすく見せるテクニック
構成比は数式で求めるだけでなく、「どのように見せるか」も重要なポイントです。
特にプレゼン資料や報告書では、数値をグラフ化したり、表記に工夫を加えることで、より伝わりやすくなります。
この章では、構成比を視覚的に伝えるためのグラフ作成や、表示の工夫についてご紹介します。
円グラフで構成比を可視化する
構成比といえば、まず思い浮かぶのが円グラフです。
各項目が全体の中でどのくらいの割合を占めているかを、直感的に視覚で伝えられるため、初心者にもおすすめのグラフです。
円グラフの作成手順(Excel 365の場合)
-
構成比を求めたデータの「項目名」と「割合」を選択
-
[挿入] タブ → [グラフ] グループ → [円グラフ] をクリック
-
「2-D円」など、好みのスタイルを選ぶ
-
グラフタイトルや凡例、データラベルを調整
↓タイトルを選択した状態で再度クリックするとタイトルを編集することができます。
↓グラフを選択した際に表示される+マークでグラフ要素の簡単な編集ができます。
データラベルを「%」で表示する方法
データでは数値(小数点表示)になっている値をグラフで%表示にする方法を紹介します。
-
グラフをクリック
-
[グラフ要素](+マーク)→ [データラベル] にチェック
-
[その他のオプション] を選択
-
ラベルオプションにて「値」を「パーセンテージ」に変更。※小数点の桁数や位置を調整すると見やすくなります。
↓ラベルオプションの編集例。
↓表示形式の編集例です。小数点以下の桁数も設定できます。
積み上げ棒グラフを使うメリット
構成比を複数の項目ごとに比較したい場合は、「100%積み上げ棒グラフ」がおすすめです。
活用シーンの例:
-
商品カテゴリごとの月別構成比
-
部署ごとの売上比率
作成手順:
-
行や列に「項目別の割合」が並ぶようなデータを用意
-
[挿入] → [その他の棒グラフ] を選択
-
→[100%積み上げ棒グラフ] を選択
-
系列の順序や色を調整すれば完成!
↓系列の色の変更例。グラフデザインの色の変更メニューで一括変更できます。
↓個別で色を変更する場合は、変更したい要素を選択して右クリックをすれば編集メニューを開けます。
横方向・縦方向ともに利用できますが、横型の方がカテゴリ名が見やすくなるケースが多いです。
![[横棒グラフ]→[100%積み上げ横棒グラフ]](https://dailyexcelhacks.blog/wp-content/uploads/2025/09/構成比_積み上げ横棒グラフ作成-1024x969.jpg)
タイトルや注釈の工夫で誤解を防ぐ
構成比のグラフや表を使う際には、「何に対する割合か?」を明確に伝えることが大切です。
よくある例:
-
30% → 「何のうちの30%?」と読者が迷う
-
合計が100%でないのに、100%と誤解される表示
工夫できるポイント:
-
グラフタイトルに補足を加える
-
例:「A社売上構成比(2024年度)」
-
-
凡例や注釈で背景を説明する
-
例:「※全体売上(税抜)に対する割合です」
-
グラフや数値だけでは伝わらない場合は、一言の注釈で読者の理解を助けましょう。
構成比と一緒に使いたい「増減」の見せ方(関連記事リンク)
構成比は、単体でも役立ちますが、**前回や前年との比較(=増減)**と組み合わせることで、より説得力のある資料になります。
たとえば:
-
今月の売上構成比 → 先月とどう変わった?
-
昨年よりもシェアが上がった or 下がった?
関連記事:
初心者でもすぐできる!Excelで増減を求める関数と色分け・グラフのコツ
このような記事もあわせて読むと、**「変化を伝えるグラフ」や「条件付き書式による色分け」**など、表現の幅がぐっと広がります。
まとめ
構成比は、正しく計算するだけでなく、見やすく・伝わりやすく表示することが重要です。
-
関数を使って正確に求める(IFERROR・TEXTなど)
-
表示形式で見た目を整える
-
グラフや注釈で視覚的に伝える
-
増減とあわせて活用すると説得力アップ!
こうした工夫を取り入れることで、Excelでの資料作成がぐっと伝わりやすくなります。
【関連記事】
- 初心者でもすぐできる!Excelで増減を求める関数と色分け・グラフのコツ
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