Excelで2つのデータを照合する方法まとめ|一致確認・差分チェック・抽出を初心者向けに解説

Excelで2つのデータを照合する方法まとめ|一致確認・差分チェック・抽出を初心者向けに解説

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エクセルで2つのデータを照合したい場面って、意外と多いですよね。
例えば、

  • 商品リストと在庫リストを見比べたい

  • 新旧データを比較して、どこが変わったのか確認したい

  • 名簿の重複や抜け漏れをチェックしたい

  • 別ファイルの一覧どうしを突合(つきあわせ)したい

など、事務作業や現場の管理業務では “2つの一覧を比べる” という作業がよく発生します。

私自身も初心者の頃は、2つのシートを横に並べて必死にスクロールしたり、
見様見真似で並べ替えをしてはデータを崩してしまったり……失敗の連続でした。

しかし、エクセルには データ照合に使える便利な機能がたくさん あります。
うまく使い分けることで、

  • 重複をすぐ見つけられる

  • 一致したデータだけを抽出できる

  • 違う部分を色で強調して一覧化できる

  • 大量データでも素早く突合できる

といった作業がボタン1つ、関数1つで一気にラクになります。

この記事では、初心者の方でも使いやすい “照合に強いExcelの機能” を7つ に絞って紹介します。
用途別にわかりやすく解説しますので、明日の仕事からすぐに活用いただけます。

目次

エクセルで2つのデータを照合する基本|どんな場面で必要?何を使う?

エクセルで照合作業を行うとき、まず大切なのは
「何を照合したいのか?」 をはっきりさせることです。

照合といっても、目的によって最適な方法が変わってきます。
ここでは、よくあるシーンと必要な機能をわかりやすく整理します。


まず「照合の目的」を決めよう(削除・一致抽出・差分チェックなど)

2つのデータを比べる場面は、大きく次のように分かれます。

① 同じデータがあるか確認したい(存在チェック)

例:

  • 在庫リストに、注文されている品番が含まれているか

  • 名簿Aと名簿Bに同じ人がいるか

→ COUNTIF・条件付き書式が便利です。


② 一致したデータだけを取り出したい(抽出)

例:

  • 仕入れリストと販売リストから、共通の商品だけ抽出したい

  • 顧客リストから「既存客と同じID」を抜きたい

→ COUNTIF+IF、XLOOKUP が使えます。


③ どこが違うのか確認したい(差分チェック)

例:

  • 古い一覧と新しい一覧で「変更された部分」を知りたい

  • 毎月更新されるデータの変化点を探したい

→ 条件付き書式・XLOOKUP・比較用関数が活躍します。


④ 2つのファイルを突合して一覧化したい(大量データ向け)

例:

  • 入荷データと出荷データを紐づけて管理したい

  • 数千〜数万行のデータを結合して整えたい

→ Power Query(パワークエリ)が最適。


目的が明確になると、
「どの方法を使えばいいか」が自動的に見えてきます。


照合に使える主なExcel機能一覧(初心者向けの全体像)

照合に使えるExcelの代表的な機能は、この7種類です。

  • COUNTIF:存在チェック・重複チェック

  • 条件付き書式:一致 or 不一致を色で強調

  • フィルター(重複の削除):簡易照合・重複整理

  • VLOOKUP / XLOOKUP:詳細情報の突合

  • 2つのウィンドウ表示:見比べるだけの簡易比較

  • Power Query:大量データの突合・差分抽出

  • (新機能)動的配列での範囲比較:行どうしの一致判定

「こんなにあるの!?」と思われるかもしれませんが、
目的がわかれば使う機能は自然と絞られますので大丈夫です。


照合のための準備|並び順・空白・重複の整理

照合作業は、事前準備が半分以上 といっても過言ではありません。
特に次のポイントを整えておくと、関数のミスや誤判定が大きく減ります。


① 列(項目名)をそろえる

  • A列:品番

  • B列:品名

  • C列:数量
    など、比較対象の表どうしで同じ項目が同じ列にあるかを確認します。


② 余計な空白を取る

TRIM関数や「検索と置換」で空白を削除しておくと、
誤判定(例:同じに見えて実は違う)が防げます。


③ 全角・半角のゆらぎを整える

全角アルファベット、半角アルファベット、全角カタカナ、半角カタカナの比較表。Excelでの表記ゆれの例。
Excelでは、全角と半角、カタカナの種類の違いは別の文字として扱われ、照合で不一致になる原因になります。

型番や品番は特に、

  • “1”と“1”

  • “A”と“A”
    などで不一致になる場合があります。

変換しておくと安心です。


④ ID列がない場合は「採番」する

2つの表に共通の番号がない場合、
A列に 1,2,3… と番号を付けておくと照合作業が一気にラクになります。


事前準備をしっかりしておけば、
この後紹介する照合手法がスムーズに使えるようになります。

表記ゆれについては以下の記事も参考になります。
Excelの置換がうまくいかない?表記ゆれ・改行・複数一括置換の対処法まとめ!

Excelで2つのデータを照合する7つの実践テクニック(初心者~中級)

ここからは、実際の作業でよく使う「照合テクニック」を目的別に紹介していきます。
すべて難しい操作ではないので、用途に合った方法だけ覚えればOKです。


COUNTIFで「同じデータがあるか?」をチェックする(存在照合)

2つのデータを比べるとき、最もよく使われるのが COUNTIF関数 です。

例えば、

  • Aリストの品番が Bリストにも存在するか?

  • 名簿Aの名前が名簿Bに含まれているか?

といった「存在チェック」に向いています。

例:A列のデータがB列にあるか確認する

=COUNTIF($B:$B, A2)
COUNTIF関数でA列の商品コードが別リストに存在するかを判定しているExcel画面。1は一致、0は未登録を示す。
COUNTIF関数を使えば、Aリストの値がBリストに存在するかどうかを 1(あり)/0(なし)で簡単に確認できます。
  • 結果が 1以上 → 同じデータがある
  • 0 → 見つからない(未登録)

という判断ができます。

よく使う組み合わせ

さらに IF を組み合わせると、判定をわかりやすくできます。

=IF(COUNTIF($B:$B,A2)>0, "あり", "なし")
COUNTIF関数とIF関数を組み合わせ、E列の商品コードがA列に存在する場合は『あり』、存在しない場合は『なし』と表示するExcel画面。
COUNTIFとIFを組み合わせると、『あり/なし』のように、初心者でも判断しやすい形で結果を表示できます。

初心者でも取り入れやすい、実務で最も優しい照合方法です。


条件付き書式で一致・不一致を色分け(視覚的にチェック)

「とにかく違いが知りたい!」
そんなときに便利なのが 条件付き書式 です。

セルの値を比べて、

  • 一致したセルを色付け

  • 不一致の部分だけ色付け

といったことが簡単にできます。

例:A列とB列で違う部分だけ色をつける

メニュー:
[ホーム] → [条件付き書式] → [新しいルール] → [数式を使用して…]

Excelの[ホーム]タブから[条件付き書式]メニューを開き、『新しいルール』を選択しようとしている画面。
条件付き書式の設定は、[ホーム]→[条件付き書式]→[新しいルール]から操作します。

設定する数式:

=A1<>C1
条件付き書式の『数式を使用して書式設定するセルを決定』を選択し、A1とC1が異なる場合に強調表示する設定を行っている画面。
『数式を使用して…』を選べば、A列とC列の値が異なる場合だけ色をつける、といった柔軟な比較が可能になります。
条件付き書式でCOUNTIF関数(=COUNTIF($A$2:$A$81,E2)>0)を使って、E列の商品コードがA列に存在する場合だけ背景色を黄色にする設定を行っているExcel画面。
条件付き書式にCOUNTIFを組み合わせると、『一致するデータだけ色付け』など、照合作業の見える化が簡単にできます。

これで、違う内容だけが一目でわかるようになります。

並びが揃っているデータの差分チェックに最適です。


フィルターと「重複の削除」で簡易照合

2つのリストを縦に結合して、
重複を探したり、逆に“片方にしかないデータ”を見つけたい 場面もあると思います。

そんなときは
「Aリスト+Bリストを1列にまとめて → 重複の表示 or 削除」
という手順がシンプルで使いやすいです。

ポイント

  • 重複の強調表示(条件付き書式)

    条件付き書式でCOUNTIF関数(=COUNTIF($A$2:$A$81,E2)>0)を使って、E列の商品コードがA列に存在する場合だけ背景色を黄色にする設定を行っているExcel画面。
    条件付き書式にCOUNTIFを組み合わせると、『一致するデータだけ色付け』など、照合作業の見える化が簡単にできます。
  • データ → 重複の削除

    2つのデータを1列にまとめ、[データ]タブの[重複の削除]機能を使う手順を示したExcel画面。
    2つのデータを1列にまとめて『重複の削除』を行うと、重複を簡単に整理できます。
    重複の削除ダイアログで、対象列を選択して重複チェックを設定しているExcel画面。
    重複の削除ダイアログでは、どの列で重複を判定するかを選択できます。
    Excelで重複の削除を実行した後、削除件数と残った一意データ数が表示されている画面。
    重複削除後は、削除された件数と残った一意データ数が表示され、データ整理が簡単に行えます。
    Excelのフィルター機能で、特定の数値だけを絞り込む操作をしている画面。
    フィルターを使うと、特定の値だけを絞り込んで比較することができます。

    フィルターには並べ替え機能もあり、昇順に並べ替えることで重複データを横に並べて確認しやすくなります。

    Excelのフィルターから昇順に並べ替え、重複データが見つけやすくなっている画面。
    昇順で並べ替えると、重複データが隣り合って表示されるため、目視での照合がしやすくなります。
    データを昇順に並べ替えたことで、数値が整列し重複が確認しやすくなったExcel画面。
    並べ替え後はデータが整列し、重複や差分を視覚的に確認しやすくなります。
  • フィルターで絞り込み

この3つを組み合わせると、
名簿管理や会員リストの照合がとてもスムーズに行えます。

\ Microsoft 365 をお使いなら /
UNIQUE関数で “重複なしリスト” を一瞬で作れます

=UNIQUE(A2:A100)
UNIQUE関数でデータA列の値から重複を除いて一覧を抽出したExcel画面
UNIQUE関数を使えば、重複を自動で除いたユニーク値リストを一瞬で作成できます。

フィルターや並べ替えを使わなくても、
重複なしの一覧を即生成できる便利な関数です。


VLOOKUP / XLOOKUPで関連情報を引き出して比較(詳細照合)

「同じデータがあるかどうか」だけでなく、

  • 新しい情報を紐づけたい

  • Aリストを基準に、Bリストの情報を持ってきたい

  • 新旧データで変更された内容を確認したい

という場面では VLOOKUP / XLOOKUP が最適です。

例:A列の品番に対し、Bリストから単価を取得して比較する

XLOOKUP を使うと簡単です。

=XLOOKUP(A2, $B:$B, $C:$C, "未登録")
XLOOKUP関数を使い、E列の商品コードに対してA~C列の表から商品単価を検索し、見つからない場合は『未登録』と表示しているExcel画面。
XLOOKUPを使えば、品番から単価を自動取得し、見つからない場合には“未登録”と表示させることができます。
  • 見つかった場合:単価が表示される

  • 見つからない場合:”未登録” と表示

照合作業と情報の紐づけを同時に行えるため、実務で大変役立ちます。


2つのシートを並べて見比べる(ウィンドウの分割・新しいウィンドウ)

初心者の方が最初に直面するのが
「2つのシートを行き来しながら確認するのが大変…」という悩み。

実は、エクセルには “画面を2つ並べて表示する機能” があります。

おすすめの使い方

  • [表示] → [新しいウィンドウ]

    Excelの[表示]タブで『新しいウィンドウを開く』を選択しようとしている画面。
    [表示]→[新しいウィンドウを開く]を使うと、同じブックを2画面で同時に閲覧できます。
  • [表示] → [並べて表示]

    Excelの[表示]タブで、『整列』機能を選択し、複数ウィンドウを並べて表示しようとしている画面。
    [整列]を使えば、複数ウィンドウを横並びや上下分割で表示でき、見比べが容易になります。
    Excelのウィンドウ整列ダイアログで、『並べて表示』『上下に並べて表示』などの表示方法を選択している画面。
    ウィンドウの整列では、横並び・上下・重ねてなどから表示方法を選べます。
  • またはウィンドウの分割

これで、2つのファイルでも横並びにできるので、
行番号・列番号を合わせて見比べれば照合作業がスピーディになります。

並び替えが必要ない “見比べるだけの照合” に非常に便利です。


パワークエリで大量データを突合する(中級者向け)

数千件〜数万件のデータを扱う場合は、
関数での照合が重く感じることがあります。

そんなときに便利なのが Power Query(パワークエリ) です。

Excelのデータタブにある「データの取得と変換」メニュー。Power Query を開くための操作場所を示した画面。
[データ]タブ → [データの取得と変換]では、Power Query を利用できます。大量データの照合や差分抽出を自動化したい場合の入口となる機能です。

できること

  • 2つのデータを結合して差分を抽出

  • 完全一致 / 不一致 の行だけを並べ替える

  • データ更新時もワンクリックで再読み込みできる

在庫管理や業務データの突合など、
“毎月・毎週の定型業務” に向いています。

初心者には難しく見えますが、
実際は ウィザード形式でボタンを押すだけ の操作が多くおすすめです。

※この記事では概要のみを紹介しています。
まずはCOUNTIFやXLOOKUPに慣れてから使うと理解しやすくなります。


関数+フィルターで「一致データだけ抜き出す」実践例

実務でよくあるのが

  • “一致した行だけを新しい一覧にまとめたい”

  • “不一致の行だけ抽出して確認したい”

というケース。

COUNTIF・IF・フィルターを組み合わせると簡単です。

例:共通しているデータだけ抽出

  1. 判定列に以下を入力

    =IF(COUNTIF($B:$B,A2)>0,"○","")
    フィルター機能で判定列の○だけを選択して絞り込むExcelの操作画面
    フィルターで「○」を選択するだけで、一致データのみを素早く抽出できます。
  2. フィルターで「○」だけを表示

    フィルターにより一致データのみが残った状態のExcel一覧
    ○だけフィルターすることで、共通データの一覧を簡単に作成できます。
  3. 一致データを新しいシートにコピー

    フィルターにより一致データのみが残った状態のExcel一覧
    ○だけフィルターすることで、共通データの一覧を簡単に作成できます。

    これだけで “一致データの抽出一覧” が完成します。

    初心者でも使いやすい、現場で即戦力の方法です。


    【コラム】Excel 365なら「=A1:A10=C1:C10」で一括比較も可能(動的配列)

    Excel 365 / 2021 以降では、

    =A1:A10=C1:C10

    のように“範囲どうしの比較”ができるスピル機能が搭載されています。

    動的配列を使い、A列とC列の値比較結果(TRUE/FALSE)がスピル表示されたExcel画面
    Excel 365なら、2つの範囲を一括比較してTRUE/FALSEをまとめて表示できます。
    • TRUE → 一致

    • FALSE → 不一致

    という結果がまとめて表示されるため、
    行どうしの比較にはとても便利です。

    注意点

    • 並び替えると比較対象がズレる

    • 行欠け・空白があると誤判定

    • 大量データには向かない

    そのため実務では、
    COUNTIF・条件付き書式・XLOOKUPと併用する のが安心です。

    “表の並びが揃っている前提” なら、
    簡単に一致チェックができる便利技として役立ちます。

    まとめ|目的に合わせて最適な方法を選べば、照合作業はもっとラクになる

    2つのデータを照合する作業は、初心者の方にとってはとても大変に感じるかもしれません。
    しかし、エクセルには 存在チェック・一致抽出・差分確認・突合 といった作業を助けてくれる機能が数多く用意されています。

    この記事で紹介した方法を振り返ると──

    • COUNTIF:最も簡単な存在チェックに

    • 条件付き書式:一致・不一致を色で見える化

    • フィルター & 重複削除:名簿やリストの整理に便利

    • XLOOKUP / VLOOKUP:情報の突合や詳細比較に最適

    • ウィンドウ表示の並列:とにかく見比べたい時の時短テク

    • パワークエリ:大規模データの突合や差分抽出に強い

    • (コラム)スピル比較:行どうしの簡易チェックに便利

    このように「目的に合った方法」を選べば、
    今まで時間をかけていた照合作業が 格段にスピードアップ します。

    特に実務では、
    COUNTIF と 条件付き書式 の2つだけでも驚くほど効率化できます。

    エクセルの照合機能を上手に使えば、
    日常業務のミス防止や資料作成の精度向上にもつながります。
    ぜひ、今日の業務から少しずつ取り入れてみてくださいね。

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