エクセルで棒グラフを作成したものの、「なんだか棒が細くて見づらい…」「特定の棒だけ太くして目立たせたい…」と感じたことはありませんか?
実は、棒グラフの太さは簡単な操作で調整できます。
しかも、「グラフ全体の棒を太くする」「特定の棒だけ太くする」といったカスタマイズも可能です。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、エクセルで棒グラフの太さを変更する方法を紹介します。
合わせて、「太くならない原因」や「目立たせるための工夫」についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
棒グラフの太さを調整する基本操作
グラフ全体の棒を太くするには
エクセルの棒グラフでは、**「間隔の割合(系列の間隔)」**を変更することで、棒の太さを調整できます。
間隔の割合が小さいほど、棒は太く見えるようになります。
操作手順(Excel 365/Excel 2016以降の例):
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棒グラフをクリックして選択
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どれか1本の棒を右クリック → [データ系列の書式設定]を選択
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右側に表示される作業ウィンドウで「系列のオプション」を選ぶ
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[系列の重なり]と[間隔の割合]のうち、[間隔の割合]を調整する
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数値を小さくすると太く、大きくすると細くなる
たとえば、「間隔の割合」をデフォルトの150%から30%程度にするとかなり太めの棒になります。
棒グラフが細くなってしまう原因と対処法
「何も設定していないのに、棒が細すぎて見づらい」と感じる場合、データの本数(項目数)が多すぎるのが主な原因です。
原因の例:
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項目数が多いと、自動的に1本あたりの幅が狭くなってしまう
↓項目数6(左側)と12(右側)の例。項目数が多い場合はグラフが細く表示されます。
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グラフの幅(サイズ)が小さいと、より細く見える
↓同じ項目数でも、グラフエリアの幅が小さいと棒グラフの幅も小さくなります。
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グラフの間隔の割合が大きすぎる
↓前述のグラフ間隔の割合を大きく設定すると、グラフの幅が小さく表示されてしまいます。
対処法:
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グラフのサイズ(幅)を広げる
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データ数を間引いて整理する(例:月単位→四半期単位)
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間隔の割合を小さくする
どうしても細くなる場合は、折れ線グラフなど別の種類のグラフを検討するのも手です。
グラフ間の余白(間隔)も調整できる
棒グラフの太さとあわせて、**棒と棒の「間隔」**も調整することで、より見やすいグラフに仕上がります。
前述の「間隔の割合」を調整することで、棒同士のスキマが詰まり、密な印象になります。
逆に間隔を広げると、スカスカした印象になり、「1本ずつを強調したい」場面に向いています。
ポイント:
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プレゼンや資料用には「間隔狭め+太め」がおすすめ
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比較を強調したいときは「間隔広め」で差が見やすくなることも
特定の棒だけを太く(目立たせたいときの工夫)
特定の1本だけ太く見せたいときの基本テクニック
「全体の棒はそのままで、特定の1本だけ目立たせたい」という場合には、視覚的に“太く見える”工夫を取り入れるのがポイントです。
ただし、エクセルでは棒1本だけの「幅(太さ)」そのものを変更する設定は用意されていません。
そのため、以下のような代替テクニックを活用しましょう。
枠線で太く見せる(初心者にもおすすめ)
シンプルで効果的なのが、「枠線(外枠)」を太くする方法です。
操作手順:
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グラフ内の強調したい棒を2回クリックして個別選択
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右クリック → [データ要素の書式設定]
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[塗りつぶしと線] → [線(枠線)]を選択
↓ペンキバケツマークの[塗りつぶしと線]を選択します。
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線の「色」と「幅(2pt〜)」を設定
↓初期では枠線は「線なし」の設定になっています。
線(単色)を選択し、グラフの色と同じ色に設定します。
グラフ幅は様子を見ながら調整します。※下図では6ptで設定
※枠線の角が丸くなってしまう場合は、下へスクロールして「線の接合点」を「角」に変更します。
線の色を黒や濃い色に、幅を太くするだけで視線が集まります。
簡単にできるため、初心者にもおすすめです。
色や効果で目立たせる
太さを変える代わりに、色や視覚効果を加えて目立たせるのも有効です。
具体例:
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塗りつぶしの色を変える(他の棒とコントラストをつける)
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影や立体効果を追加して厚みを出す
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他の棒を半透明にして、強調する棒を目立たせる
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ラベルや注釈を加えて意味づけする
デザイン的な工夫で「自然に目立つ」演出が可能です。
2系列の棒グラフを重ねて“1本だけ太く見せる”応用テクニック
さらに高度な方法として、強調したい棒だけを別系列として追加し、2つの棒グラフを重ねる方法があります。
やり方の概要:
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元のデータとは別に、強調したい項目だけを別系列に追加(他は空欄に)
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通常の棒グラフと、強調用の棒グラフの集合縦棒グラフを作成
- 右クリックでデータ系列の書式設定メニューを開き、系列の重なりを0%に設定します。
↓系列の重なりを0%に設定すると、2系列の間にあったスペースをなくすことができます。
※系列の重なりについて補足:
0~99%で変更し、好みの太さに調整することができます。
0%:ちょうど2系列のグラフぴったり隣に並ぶ形
(通常の縦棒グラフの2倍の太さ)100%:2つのグラフは完全に重なり1本のグラフに見えるようになります。↓系列の重なりを100%にした場合。
2系列のグラフが完全に重なって、元データのグラフが見えなくなっています。
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強調用の棒だけをもとのグラフと同じ色に設定します。
↓データ要素の書式設定にて強調用のグラフ色を変更した後の様子です。
このように複合グラフを利用することで1本だけ太く設定することができます。
注意点:
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グラフの構成が複雑になるため、初心者にはややハードルが高め
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データの整形や軸の調整が必要な場合あり
スライドやプレゼンで「とにかくこの棒だけ強調したい!」という場面では有効な手段です。
見やすさと強調のバランスを考えよう
強調は大切ですが、「太すぎ」「目立ちすぎ」も逆効果になることがあります。
見やすい太さの目安:
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間隔の割合は30〜80%程度が一般的にバランスがよい
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強調したい棒も全体とのバランスを意識すると◎
また、印刷資料では太さよりも色やラベルの方が効果的な場合もあります。
強調と読みやすさの両立を目指しましょう。
まとめ|エクセル棒グラフの太さを変えて、見やすく・目立たせる
エクセルの棒グラフは、「間隔の割合」を調整するだけで簡単に太さを変更できます。
特に、棒が細くて見づらいと感じたときには、まず「間隔の割合」を小さくすることで解決できる場合が多いです。
また、「特定の1本だけ太くしたい」ときは、直接の太さ変更はできませんが、
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枠線を太くする
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塗りつぶしや影で目立たせる
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2系列のグラフを利用して1本だけ太く見せる
といった視覚的に“太く見せる”工夫が効果的です。
用途やシーンに応じて、読み手に伝わりやすいグラフに仕上げてみてください。