Excelの棒グラフ完全ガイド|色分け・太さ・順番変更・積み上げ・折れ線との複合まで

Excelの棒グラフ完全ガイド|色分け・太さ・順番変更・積み上げ・折れ線との複合まで

本記事には広告(PR)が含まれます。
くわしくは プライバシーポリシー をご確認ください。

「Excelでグラフを作ってみたけど、なんだか見づらい…」
そんな経験はありませんか?

中でも「棒グラフ」は、データの大小をパッと見で伝えられる便利なグラフです。
でも、ちょっとした作り方の違いで「伝わる/伝わらない」が大きく変わってしまうことも。

この記事では、初心者の方でも安心して棒グラフを扱えるように、

  • 基本の作り方

  • 元データの整え方

  • 見やすくするポイント
    をやさしく解説していきます。

さらに後半では、
よく検索されている「色分け/太さ/順番変更/積み上げ/折れ線との組み合わせ」などの実践テクニック5選も、まとめてご紹介!

「棒グラフをもっと使いこなしたい!」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。


目次

棒グラフの基本と作り方

まずは押さえておきたい「1グラフ1メッセージ」

棒グラフを作るときは、まず「このグラフで何を伝えたいのか?」を1つに絞るのがコツです。

たとえば…

  • 「売上が一番多いのはA店」

  • 「前年比がもっとも伸びたのは3月」

  • 「目標を超えたのは5つのうち3部門」

といった**“1グラフ1メッセージ”**を意識することで、見る人にとってとてもわかりやすくなります。


棒グラフの作り方の基本ステップ

棒グラフを作るときは、次の3ステップで進めるとスムーズです。

ステップ①:挿入
データを選んで、[挿入]→[縦棒グラフ]→「集合縦棒」をクリック!
棒グラフを挿入

ステップ②:調整

  • 横軸のラベルや凡例をチェック

  • いらない要素(例えば罫線や枠)は思い切って削除

  • データラベルは“全部”じゃなくて伝えたいところだけに表示するのがコツ!

↓グラフを選択した状態で表示される「+」マークを押すと、「グラフ要素」メニューが表示されます。

各要素の表示設定や表示位置などを選択することができます。

グラフの要素で表示設定を変更

ステップ③:仕上げ

  • 色は“目立たせたい部分だけ”強調色に(他はグレーなど控えめに)

  • 単位(%・円・件など)は軸やラベルにしっかり表示

  • グラフタイトルは、「売上構成比」などのシンプルな題名でも問題ありませんが、
    「A社が最多」「4月は目標達成」といった結論型にすると、資料の意図がより伝わりやすくなります。
    棒グラフの編集例

ワンポイント

「とにかくキレイに作りたい」よりも「何を伝えたいか」を一番に考えると、グラフの見せ方が変わります!


元データの整え方も大事です!

グラフの“土台”となる元データが整っていないと、どんなに頑張ってもキレイに仕上がりません。

基本のルールは次のとおりです:

ポイント 内容
見出しは1行 上から1行目に「月」や「商品名」などのラベルを入れます
カテゴリは左端1列 比較対象(例:A店、B店)は左端の列にまとめましょう
数値はちゃんと数値として 文字列の「50%」ではなく、0.5+「%」の表示形式にします
日付も“文字”にしない 「2025年8月」などを文字で入力せず、日付として扱います

 複雑な表でもグラフは作れる?見出しが2段の場合の注意点

職場で使われる表には、「見出しが2段」「上期・下期で区切られている」など、少し複雑なレイアウトのものもありますよね。

たとえば、下のような表がその一例です。

▼添付画像のような表(2段の見出し・上期下期のカテゴリ)

 データ範囲に「上期」や「関東営業部」という見出しを含めたことで、グラフの項目軸や凡例がやや不明瞭になっています。

2段の見出し・上期下期のカテゴリ

このような表でもグラフは作成できますが、選択範囲によっては意図しない表示になることもあります。

特に注意したいのは以下の点です:

  • セルの結合はなるべく避け、同じ値を繰り返し入力しておくと、Excelが正しく認識しやすくなります

  • 表全体ではなく、グラフにしたい「データ部分」だけを選ぶと、意図した系列名や項目軸でグラフが作られます

  • 「選択範囲内で中央揃え」や罫線を活用すれば、見た目はきれいなままで、グラフ作成もしやすい表に整えられます

▼(After画像)選択範囲を整えて正しくグラフ化された例

「月・地域ごとの売上」だけをシンプルに表現することで、グラフの意味がひと目で伝わるようになりました。

(After画像)選択範囲を整えて正しくグラフ化された例


グラフが表示されないのは“文字列の数字”かも?

見た目は正しいのに、グラフに何も表示されない…
そんなときは、「数字」が文字列として入力されている可能性があります。

以下の例では、パーセントを「50%」などと直接入力していますが…

データが文字列のためにグラフが表示されない例

上図のようにグラフが表示されないことがあります。

もしグラフが表示されない場合は以下の入力方法をご確認ください。

NGな入力例 正しい入力方法
50%(文字列として入力) 0.5 と入力し、「表示形式」を「パーセンテージ」に設定
2025年8月 2025/8/1 など日付として入力
1 0 0 0(全角スペースなど) 半角で正しく 1000 を入力

※セルの設定によっては、手入力した数値でも文字列として扱われることがあります。
文字列のままだと、グラフの元データとして使用できないため注意が必要です。


確認のポイント

セルの左上に緑の三角マークが出ていたら、文字列になっている可能性があります。


注意点

以下のような入力は、Excelでは数値に直せません

  • 1000円(単位付き)

  • 1000!(記号付き)

これらは、Excelが計算できない文字として認識するため、グラフにも使えません。
データを整理するときは、数値と単位を分けるようにしましょう。

グラフを作る前に、数字が**「数値」として認識されているか**をチェックしておくのがポイントです!

空白セルの扱い方を決めておくと安心!

グラフの元データに空白があると、思わぬ表示になることがあります。

状況 対応方法 表示例
値が未確定 空白のまま+注釈(※未入力など) 棒が出ない/線が途切れる
値が0 空白を0に変更 棒の高さ0(ゼロ)になる
欠測扱いにしたい =NA()#N/Aを表示 グラフに描画されない(欠測)

また、折れ線グラフでは「空白の扱い方」を変更できます。

設定場所:
グラフを右クリック → [データの選択]→[非表示および空白のセル]
折れ線グラフのデータソースの選択
↓ここで、「ギャップ/ゼロとして表示/線で接続」から選べます。
折れ線グラフの非表示および空白のセルの設定
↓データの要素を線で結ぶを選択した場合
データの要素を線で結ぶを選択した場合の折れ線グラフ


棒グラフ作成のポイント

棒グラフは、

  • 伝えたいポイントを1つに絞って

  • 正しく整えたデータから

  • 3ステップでシンプルに作る

この流れを押さえるだけで、グッと見やすくなります。

次の章では、「色分け」「太さ」「並び順」「積み上げ」「折れ線との複合」など、実践的なカスタマイズ技を一つずつご紹介します!

棒グラフの実践テク5選(もっと見やすく・伝わりやすく!)

棒グラフの基本がわかったら、次は**「ちょっとした工夫で見やすくなるテクニック」**を身につけましょう。

この章では、特に検索されやすい5つのポイントにしぼって解説します。


● 色分けの基本と“1本だけ強調”のやり方

 棒の色を変えるだけで、グラフがグッと読みやすくなります

たとえば「特定の月だけ目立たせたい」「この項目を強調したい」といったときに便利なのが色分けです。

Excelでは、全体の系列の色も変えられますし、1本だけ個別に色を変えることもできます。

▽操作手順(1本だけ色を変える場合)

  1. 色を変えたい棒を2回クリック(1回目で全体、2回目で個別選択)

  2. 右クリック →[塗りつぶし]を選択
    棒グラフの色を個別で変更する場合

  3. 好きな色に変更!

ヒント:色はたくさん使いすぎず、「強調したい棒だけ」に1色だけ使うと見やすいです。

太さの調整はここでできます

「棒が細くて見づらい」「もう少し幅を出したい」というときに

棒の太さは、「要素の間隔」という設定で変えられます。

  • 棒グラフを右クリック →[データ系列の書式設定]

  • 「要素の間隔」を調整(数値が小さいほど太くなります)
    系列のオプションで要素の間隔を調整

もっと応用的なこと(例えば「1本だけ太くしたい」)もできますが、詳しくは以下の記事でご紹介しています。

関連記事:
Excel棒グラフの太さを変える方法|強調するテクニック

 並び順を変えたいときのコツ

「大きい順に並べたい」「月の順番が逆…」という場合に

棒グラフの並び順は、

  • 元データの並び替え(昇順・降順)
    [データ]タブ→「並び替えとフィルター」メニューを利用して元のデータを並び替えます。
    データ順を並び替え_[データ]→「並び替えメニュー」を選択
    ↓構成比を降順で並び替えした後の様子です。値の大きい順に整列されて見やすくなっています。
    構成比を降順で並び替えした後の様子

  • 横軸の「項目を逆順に表示」
    ↓横軸を選択した状態で右クリック→「軸の書式設定」を選択します。
    横軸を選択した状態で右クリック→「軸の書式設定」を選択
    ↓「軸のオプション」メニュー内の「軸を反転する」にチェックをいれると、
    項目の並びが逆になります。

この2つで調整できます。

よく使う場面

  • 売上が多い順に並べたい → データの並び順を降順に変更

  • 月が12月→1月になってしまった → 横軸を右クリック →[軸の書式設定]→「項目を逆順に表示

補足:ピボットグラフや自動更新付きの表では、データソース側の並び順が優先されるので注意です。


積み上げと100%積み上げの使い分け

グラフで“内訳”や“比率”を伝えたいときに

Excelでは以下のような積み上げグラフが選べます。

種類 特徴 使いどころ
積み上げ棒グラフ 棒の高さが合計値 実数の内訳を見せたいとき
100%積み上げ棒 各棒が同じ高さで比率表示 全体に対する割合を見せたいとき

 

操作手順

  1. データを選択 →[挿入]→「積み上げ棒」または「100%積み上げ棒」を選ぶ
    積み上げ棒グラフを作成

  2. 凡例やラベルで各色の意味をしっかり伝える

  3. 必要に応じて合計値を別ラベルで表示するのも◎

ヒント:「100%積み上げ」は割合を見るには便利ですが、“実際の数量”は伝わりにくいことも。用途に合わせて使い分けましょう。


折れ線との複合グラフで推移や目標も一緒に伝える

 「棒グラフで売上、折れ線で目標」など、1枚にまとめたいときに

Excelには「複合グラフ」という機能があり、棒と折れ線を組み合わせたグラフを作ることができます。

操作手順

  1. 棒グラフを作成

  2. 折れ線にしたいデータ系列を右クリック →[系列グラフの種類の変更]

    折れ線にしたいデータ系列を右クリック →[系列グラフの種類の変更]

  3. 集合縦棒と折れ線」を選択し、必要なら「補助軸を使用する」にチェック
    複合グラフ前年比設定画面

補足:補助軸を使うときは、軸の単位や目盛をしっかり設定して、読み手に誤解を与えないようにしましょう。

関連記事:
 Excel棒グラフを線でつなぐ方法|複合グラフの作り方


 トラブルが起きたときの対処法

よくある困りごと 原因と対策
ラベルが重なって見えない 表示を最小限に/ラベルを外側に配置/フォントサイズを調整
目盛が不自然 最小・最大値を手動で設定する
色が見づらい コントラストの高い配色に/グレー系をベースに1色だけ目立たせる
印刷で崩れる ページ設定・印刷範囲・スケーリングを確認する

棒グラフ作成のテクニックまとめ

棒グラフには、ちょっとした工夫で見た目も伝わりやすさも変わる便利なテクニックがたくさんあります。

  • 色で強調

  • 並び順で流れを整える

  • 積み上げや複合で情報をまとめる

まずはできそうなところから1つずつ試してみてください。

 まとめ|棒グラフは「伝え方ひとつ」で変わります

棒グラフは、Excelの中でも最もよく使われるグラフのひとつですが、**ちょっとした作り方の工夫で、見やすさも伝わりやすさも大きく変わります**。
この記事では、
  • グラフの基本の作り方とデータの整え方
  • 色分け・太さ・並び順・積み上げ・折れ線との複合グラフといった実践テクニック
について、初心者の方にもやさしくわかるようにご紹介しました。
「なんとなくグラフを作る」から卒業して、「伝わるグラフ」を目指してみましょう!

【関連記事】

以下の記事では、この記事で触れたテクニックを**さらに詳しく解説**しています。必要なところからチェックしてみてください。

※外部リンク※

※参考書籍※

棒グラフをはじめ、さまざまなグラフの使い方をもっと深く学びたい方には、こちらの書籍もおすすめです。

できるExcelグラフ (できるシリーズ)
グラフの基本から実務でよく使われる応用例まで、丁寧に解説されています。操作画面も豊富で、初めての方でも安心して読み進められる構成になっています。

  • グラフの種類と使い分けがよくわかる

  • 実務でありがちな「見せ方の悩み」にも対応

  • 簡単な操作からステップアップできる

Amazonでチェックする(※PRリンク):

  できるExcelグラフ 
※上記リンクはアフィリエイト広告を利用しています。